活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

2008-01-01から1年間の記事一覧

14歳は過ぎたけれど

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に作者: 宮台真司出版社/メーカー: 世界文化社発売日: 2008/11/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 12人 クリック: 124回この商品を含むブログ (131件) を見る もう14歳でも、14歳からやり直すわけでもあり…

エコっていうのか?

最近、やたらエコを目にします。 資源削減のための軽梱包、飲食店の割り箸の廃止……etc。 ただ、ふと思うのです。 それって、本当にエコ? 例えば、ビニール袋から紙袋へ(ないしはプラスチックから紙容器へ)。 確かに、ビニールより紙の方が環境に優しいで…

構造を構造する

構造を構造するはじめての構造主義 (講談社現代新書)作者: 橋爪大三郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 1988/05/18メディア: 新書購入: 26人 クリック: 165回この商品を含むブログ (190件) を見る ここ最近、哲学や社会学を基礎から学ぼうかな、と考えていま…

歴史は面白い!

日本史への挑戦―「関東学」の創造をめざして (ちくま学芸文庫)作者: 森浩一,網野善彦出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/12/10メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る 森浩一先生と網野善彦先生というビッグタイトルの対談です…

下流の先に大海はあるのか

下流社会 第2章 なぜ男は女に“負けた"のか (光文社新書)作者: 三浦展出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/09/14メディア: 新書 クリック: 35回この商品を含むブログ (77件) を見る 今話題の下流社会。 これまでは総中流社会を目指してきた日本が一変し、上…

空に何があるんだい?

スカイ・イクリプス―Sky Eclipse (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/11メディア: 新書 クリック: 5回この商品を含むブログ (11件) を見る やっぱり、森博嗣は『スカイ・クロラ』的な作品の方が面白いですね。 …

封建制とは何か

封建制の文明史観 (PHP新書)作者: 今谷明出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2008/11/15メディア: 新書購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (18件) を見る 『封建制の文明史観』 法制史からも中世史からも見ても、封建制とは何かを考えるうえで非常…

血反吐を吐け、裸をさらせ!

書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫)作者: 保坂和志出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/11メディア: 文庫購入: 25人 クリック: 111回この商品を含むブログ (58件) を見る 保坂先生の言いたいことは分かります。 しかし、創作を美化しすぎ…

お願いだから、すべてがFになって

探偵伯爵と僕 His name is Earl (講談社文庫)作者: 森博嗣,山田章博出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/11/14メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (53件) を見る『すべてはFになる』以来、森博嗣のファンなのですが……今回の作品…

老兵は死なず、フロントラインへと赴く

破戒と男色の仏教史 (平凡社新書)作者: 松尾剛次出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/11/15メディア: 新書購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (21件) を見る 『破戒と男色の仏教史』 流石です、松尾先生。 日本中世史界のアウトローは伊達ではな…

見えるものと見えないものの狭間で

*ネタバレが含まれています。見る場合にはご注意を。 『ブラインドネス』 場末の劇場のような、あるいは昔ながらの劇場と言ったほうがいいでしょうか。そんな上野東急で観てきました。 突然、盲目になるという感染性の病気が流行した世界。彼らを、アメリカ…

まな板の上の鯉は、いつだってさばかれるのを待っている

演劇や小説における経験主義をどうかしら、と考えています。 ここでいう経験主義とは、その人が経験したことを表現にする、ないしはほぼ素材のまま表現する、ことを指しています。 つまり、極論を言えば、殺人者しか殺人者のことは書けず、娼婦の心情は娼婦…

手垢にまみれない物語

アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)作者: 小峰元出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/09/16メディア: 文庫 クリック: 94回この商品を含むブログ (100件) を見る 『アルキメデスは手を汚さない』 久しぶりに来ました。良作です。 けっして、名作でも大…

自分と世界の相対速度

いやぁ、やっぱり羽海野チカ『3月のライオン』は面白いですねえ。 って、今日はその話ではなく。 最近、感じたことは、人間は「気付くこと」と「変わること」が大事だということです。 人間は最終的にずっと勉強し続けるのですが、その中で自分の間違ってい…

繭が見る最初の夢

新宿にオープンしたBOOK1を見に行きました。 書店の中でもっともレイアウトにこだわった、センスのよい店舗作りをする書店です。コクーンタワー地下にオープンした新宿店もセンスのよい店舗でした。 地下1階と2階を使った作りですが、ちょっと変わった作り…

交錯するアイの終着地はあるのか

『アイランド』を見ました。 テレビ東京系列で昨日放送されていたモノを見ましたが、ううん、と首を捻りました。 内容そのものはよくできています。近未来の遺伝子技術の問題をとらえた映画といえます。そこに何の問題もないですし、映画として十二分に面白…

アフロは伊達じゃない!

人間、刺激されないモノには興味を抱きません。 ふと振り返ってみると、昔はさんざんやったゲーム(コンシュマ機の)は今はまったくやっていません。PSPとかニンテンドーDSとかなんですかーって感じ? それこそ3,4歳の頃からファミコンに触れていた世代な…

劇とは激か

最近、ふと思うことは、本当の演劇とは「1時間ただ立っているだけで舞台が成立すること」ではないか、ということです。 確かに、台詞を話すこと、動くことも演劇ですし、そこから何かを伝えようとしています。しかし、同時に何もしないこと、何もないことで…

不確かなセカイの中で

ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)作者: 東浩紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/03/16メディア: 新書購入: 34人 クリック: 461回この商品を含むブログ (470件) を見る 『動物化するポストモダン』を文学方面に広げた…

思想の地平にある、その先へ

ゼロ年代の想像力作者: 宇野常寛出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/07/25メディア: ハードカバー購入: 41人 クリック: 1,089回この商品を含むブログ (263件) を見る 宇野常寛『ゼロ年代の想像力』 この著書は、いわゆるポストモダン状況が進む日本の社…

濁流に立つ一本の木のように

魔王 (講談社文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/09/12メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 125回この商品を含むブログ (405件) を見る伊坂幸太郎『魔王』 やはり、伊坂幸太郎は面白い。 この物語は安藤兄弟を機軸とした群衆対個人の…

こんな日本に誰がした!

教育格差が日本を没落させる (新書y)作者: 福地誠出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2008/09/06メディア: 新書 クリック: 7回この商品を含むブログ (5件) を見る 格差社会ですね。 よいか悪いかは別として。 持つものと持たざるものは、努力するものとしないも…

かつてのあなたから今のあなたへ

今と昔と比べて、昔の方がよかった、なんて言う気はありません。 しかし、今のこども達がどうしてものを考える力がないのか、その点について考察したいと思います。 前提条件として。 時代は進歩しています。当然昔より今の方が発達しています。ゆえに技術や…

20世紀的手法による21世紀の描き方

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)作者: 浦沢直樹出版社/メーカー: 小学館発売日: 2000/01メディア: コミック購入: 4人 クリック: 220回この商品を含むブログ (362件) を見る 『20世紀少年』全巻読破しました。 やはり浦沢直樹、面白い…

中世という時代

最近、書籍(小説・新書エetc)を少し読めば、その質というものが分かるようになりました。 文章には、コストの高いものとそうでないものがあります。 コストの高い作品とは、どれだけの情報量を使って文章を書いているか、ということです。 伊藤正敏『寺社勢…

補足説明

昨日のブログ内容に補足を。 私自身は大学進学率の低下はやってはいけないことと考えます。 それは、資材の乏しい日本では、それこそ「人財」として活躍してもらわなければ困るのので、彼ら一人一人のスペックを上げる必要がある。そのためには、必然的に高…

流れを変えろ

三浦展『下流大学が日本を滅ぼす! ──ひよわな?お客様?世代の増殖』 『下流社会』の著者が、日本の教育制度(主に大学)について意見している新書です。 一言で言えば、エリートを作り出せ、というのが彼の持論のようです。 今の大学は大学全入時代が表す通…

あまりにも違いすぎる

『笑いの大学』 いわゆるワンシチュエーションムービーです。 時代は昭和15年、出版物が統制をうけていた時代の話です。その時代の演劇公演の統制が話の主軸にあります。 台本から公演の許可・不許可を出す審議官と脚本家が織りなす喜劇です。 これは面白…

雨にも負けず(って、土砂降りやん)

ドラムスKO!『G.G.』 久しぶりに、演劇を見ました。 前回、『佐藤研』を見て、今回も科学ネタとのことだったので見に行ったのですが……。 正直がっかりでした。 『佐藤研』での観客の巻き込み方が一切無く、普通に舞台が進行していました。 役者は1時…

ミキちゅぁぁぁ〜ん(爆笑)

『キサラギ』 あまり面白くないかな、と思っていたのですが、意外に面白かった。 話の全体像は如月ミキというアイドルが自殺し、その一周忌を偲ぶため、ファンサイトの常連が5人が集まるという話。 舞台はそのために借りたビルの屋上にある部屋。 カメラは…