活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

交錯するアイの終着地はあるのか

『アイランド』を見ました。
テレビ東京系列で昨日放送されていたモノを見ましたが、ううん、と首を捻りました。
内容そのものはよくできています。近未来の遺伝子技術の問題をとらえた映画といえます。そこに何の問題もないですし、映画として十二分に面白い仕上がりになっています。


しかし、問題はチェイサーの黒人です。
あれだけ悪役を演じながら、最後は味方をするのはちょっと……。
確かに、あそこでヒロインに手助けする人物は必要ですよ。でも、彼でなくとも。


知っていますよ。アメリカでは現在、黒人人権団体の力が強く、黒人を悪役にできないということを。
それ自身、私は逆差別だと考えます。
それまで白人が黒人に対し、圧力を加えていたのだから、文句は言えないでしょう。しかし、それと映画の中で黒人を悪役にするな、と弾圧を加えることは矛盾します。
一種の思想教育といえるでしょう。日本における平等主義思想と同じです。


本来であれば、黒人も白人も関係なく悪役味方を演じるべきです。
それこそが真の人権でしょう。
結局、今の状況はそれまで白人が差別してきたことを、違う形で黒人が再現しているに他なりません。
現実ではどうあれ、エンターテインメントの中にそれを持ち込むのはナシではないでしょうか。


そういう見方をしてしまい、最後は素直に楽しめませんでした。