探偵伯爵と僕 His name is Earl (講談社文庫)
- 作者: 森博嗣,山田章博
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/11/14
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (53件) を見る
『すべてはFになる』以来、森博嗣のファンなのですが……今回の作品はちょっと。
確かにミステリーランドのコンセプトが「かつて子どもだったあなたと少年少女のために」であり、少年少女向けであることを加味しても、微妙でした。
全体的に、はやみねかおる臭がして、森らしさが見られませんでした。
確かに、作品自体は構成された巧い作りになっています。しかし、どうにも子供だまし的な部分が感じられます。特に、作品中盤主人公が犯人に追われて携帯電話を落としてしまうシーンは予定調和的で不自然でした(しかも、2回も!)。
流石に、ラストのどんでん返しは森の面目躍如だな、と思いました。
しかし、それ以外に見るべきところがなかったのもまた事実です。
少年少女向けにするには、友人をあっさり殺してしまうのもいかがなものかと思いますし、中途半端にミスリードを持ってくるのも不要でしたし、作品の完成度という意味では、これまでの森作品とは比較したくもありません。