活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

この差は何を生み出すのか

http://sp.mainichi.jp/select/news/20140111k0000m040015000c.html
公立と私立との学習費の違いが2〜3倍になり、私立中の学習費は過去最高を記録した。
最終的に学習費は、小学校から高校まで公立なら500万、私立なら1677万と1000万以上の違いになった。


これを見て、多くの保護者はどう感じるだろうか。
「やはり、公立に進ませるべき」と考えるだろうか。
だが、公立出身と私立出身では最終学歴に大きな差が出る。東大の半分以上が私立出身者で占められている現状だ。当然、難関大・有名大も同様に状況にある。
この学歴の差が、就職企業の規模の差になり、40代で年収1000万になるか500〜600万程度になるか分かれるのではないだろうか。


もちろん、私立に行かせたら難関大学に行ける、公立では行けないという二元論ではない。
ただ、私立と公立を比べたときに、大きな差が出るのは間違いない。
では、その差は何によって生み出されるのか。


私は学力はパソコンになぞらえて、ハードウェアとソフトウェアで決まると考えている。
ハードウェアとはすなわち脳、ソフトウェアはOSとデータに分かれ、OSとは「考える力(地頭や論理力と呼ばれるもの)」、データは知識である。
未成年のハードウェア=脳に大きな違いはない。違いが生まれるのはソフトウェアの部分だ。
少なくとも、私立(小学校・中学校)に行かせるときは受験が必要になる。特に私立中高一貫校に向けた中学受験は苛烈で知られる。
その時期にOSとデータを徹底的に鍛えられ、その後も中高で継続的に鍛えられれば、県下トップ校でかつ上位生でもない限り、太刀打ちはできないだろう。


いわゆる普通の高校生(偏差値50〜60の高校)は毎日1時間勉強したら勉強した方と認識するのに対し、難関中高一貫校は3時間勉強していても全然勉強していないと認識している(麻布高校のような特殊な学校は除くが)。この時点で、すでに負けている。
すなわちOSでもデータでも圧倒的に私立が優位に立っている。
これは社会に出ても同様だ。むしろ、社会に出たあとの方が顕著と言える。
東大・難関大でも使えない人材がいる、という話だが、それは一部や附属出身者ではないか。比率で言えば、やはり難関大学に優秀な人材がいる。


それを踏まえると、この1000万の違いをどう考えるのか。
安いと見るか、高いと見るか。


もちろん、公立出身者にも優秀な人材はいる。
むしろ、問題は家庭の教育方針と環境だと考えている。なぜならば、私立に子どもを行かせる保護者のほとんどは、学力が年収と比例関係にあることを理解しているからだ。だから、学力を身につけさせるために私立へ行かせる。


今は単純な学習費の違いの問題だが、やがて越えられない年収の問題になり、格差社会の問題に繋がるのではないか。
学力が年収の違いを生み、階層が固定化されてしまう。下流層は学力を得るための費用をかけることができないのに、上流層は費用をかけることができる。
それが何世代もの間、拡大再生産された先は……。


改めて問いたい。この1000万の差を。