活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

この支配からの卒業

学び続ける力 (講談社現代新書)

学び続ける力 (講談社現代新書)

これからの時代はリベラルアーツが大切だ。
その一言に尽きる本書。


リベラルアーツとは「自由になるための能力」であり、古代ギリシアで必要とされる学問群を指しました。
そして現在、リベラルアーツとは「教養」と訳されています。
つまり、人間が生きるための土台であると。


本書では「すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなる」との含蓄のある言葉を述べています。
まさにその通りで、日進月歩の現代で、すぐに役立つ技術はすぐにコモディティ化します。
本当に大事なのは、いつ役に立つか分からないが、ある瞬間、知識が繋がって役立つものである。
それが「教養」です。


「教養」はある枠組みを飛び越えて、新しい世界を創造するために必要です。
しかし、いつ役に立つのか、それは誰にも分かりません。
それゆえ、20世紀末の大学では教養科目を減らし、即効性のある専門科目を増やしました。
しかし、その結果、すぐ使えるが伸びない社会人が増えています。
池上さんは旧制高校を引き合いに出しながら、教養の大事さを語っています。


ただ社会で拝金主義、即戦力主義がまかり通っている以上、その言説はどこまで届くのか。