アホ大学のバカ学生 グローバル人材と就活迷子のあいだ (光文社新書)
- 作者: 石渡嶺司,山内太地
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/01/17
- メディア: 新書
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できることから改革していかなければいけないと思います。
かつて、大学は職業大学と研究大学に分かれるべきだと提言したことがあります。
昨今、大学は最高学府としての機能だけでなく、人材育成の機能も求められているからです。
その人材育成を特化した大学として職業大学を提言しました。
しかし、職業大学にしろ、研究大学にしろ、教育の仕方は一定の方向性に向かっています。
それは教養教育と少人数教育です。
本書を読んでいると、大学にしろ学生にしろ社会にしろ、考えるべき方向が間違っていると感じます。
その場しのぎの方針が多いから、あるいは自己だけを考えた施策だから成功しないのです。
ああ、どこかの会社のようだ(笑)。
結局は学生を教育しない限り、すべての問題は解決しません。
大学は人材育成の機能を求められ、学生は能力を求められているからです。
今の世界では既存の知識・技術だけでは生き残れません。新しい発想を作り出せる人材が求められています。
その意味で教養が重要になります。
そして、一人一人をきちんと見ない限り、教養を能力に変えることはできません。
そうしてみると、なんだかんだ言って東大の教育コンセプトがもっとも理にかなっています。
1、2年で教養学部に所属し、3、4年で専門教育を受ける。
欧米の大学のような教授1人に一桁の学生とまではいかないですが、私立に比べれば少人数といえます。
やがて来るセンター試験の変更も教養教育に土台をおいているように思えます。
本当に変わらないと、ユニクロのように大学教育不要と突きつけられかねません。
アレはさすがに大学教育をバカにしているとしか言いようがありません。
かつて研究の徒であった人間から言わせれば、ふざけるな、と憤りたくなります。
だったら、高卒を一から鍛えればいいだろう、と思うのに、そうしないのは、やはり受験の効果を信じているからでしょう。
大学が変革することを切に願っています。