活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

レトリック遊びの世界

黒猫の遊歩あるいは美学講義

黒猫の遊歩あるいは美学講義

来ました、第1回アガサ・クリスティー賞。
なのに、受賞したのはエドガー・アラン・ポーをモチーフにした作品。
ギャグですか?


と、思いながら読んでみると、その世界観にぐいぐい引き込まれていく。


黒猫と呼ばれる若き天才教授と、その付き人の私が出会うミステリ。
謎を美学的に解き明かす様は圧巻。
ポーの作品を知っていること、美学的知識を持ち合わせていることなど、前提条件を必要とするものの十分に楽しめる。


なかなか苦しい展開もあるが、それに目をつぶってもよいと思える作品だ。


久しぶりに、文学新人賞で良作に巡り会いました。