活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

とりとめのない話

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(下) (講談社文庫)

モダンタイムス(下) (講談社文庫)

「敵は誰だ」
と言わんばかりの、「敵」という存在の不在。
現在の状況を正しく切り取った作品と言える。だが、同時に、どうしたいのかが見えない作品でもあった。
主人公達を苦しめている敵がなんなのか分からず、すべてが歯車の一つでしかない状況。
だからこそ歯がゆいわけだが、ラストシーンはアレでよかったのか。


伊坂っぽいと言えばその通りだが、もう一ひねりあってもよかった。
ただ、ラストの言葉はよかった。
あれこそ伊坂節といったところ。


大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 (ソフトバンク新書)

大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 (ソフトバンク新書)

確かにぶっちゃけている。
しかし、結局は大学側からの話。
だから、どうすべきなのかがない。


まあ、こんなものか。


古代史のとりとめない話になっていた。
確かに面白いんですが、一つの流れを持っていなかったので、話全体が散発的。
重要な示唆も含んでいるが、論点がぼやけている感じ。


誰に何を語ろうとしているのかが、明確ではありませんでしたよ、森先生。


眼鏡屋は消えた

眼鏡屋は消えた

軽妙な語り口とストーリーテーリングで読みやすかった。
でも、主人公がバカすぎ。


丁寧に推理を展開しているのは今までになかったが、その分、勢いがなかった。
すれ違いのトリック? は面白かったが、作品自体はこぢんまりとしてしまった。
なんだか、悪くはないんだけど……としか評せない作品だった。