活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

そろそろ現実の話をしよう

企業というのは結局、昨年対比でものを考えています。
なぜ、昨年対比を基準にするのか。その理由は定かではありませんが、昔からやっているから、というのがホンネでしょう。


分かりやすい例では、売り上げを昨年対比プラスにしろ、というのが至上命題になります。
なぜなら、昨年対比を越えていれば、少なくとも企業は売り上げがアップし、「成長」していることになるからです。
ただ、その論理は最初から破綻していて、売り上げは上昇しても経常利益が上昇する保証はないからです。支出が多ければ最終的にはマイナス転落する可能性があります。


一方、売り上げが昨年対比マイナスでも支出を抑えれば経常利益で昨年を超えることがあり得ます。
つまり、売り上げの昨年対比だけでは分からないのです。


また、外部要因によって売り上げは上下する可能性があります。本人の責任の外にある原因です。今回の3.11もそれに当たるでしょう。
問題なのは、どうリスクコントロールをするかであり、従業員にむち打って強制労働させることではありません。
収入と支出のバランスを考えること、予想できるリスクに対してどう回避するか、予想できないリスクに対してどう備えるか、が重要なのです。


それこそが企業−−役員が考えて実行すべきことです。
それができない役員は経営者失格と言えるでしょう。従業員を働かせるだけなら誰でもできます。重要なのは、どう動かしていくか、ということです。


企業が成長することは理想ですが、現実には成長しないこともあります。プラスマイナスを繰り返して、最終的にプラスに持っていくのです。その上下幅をどう考え、どうマネジメントするか、それが経営者というものではないでしょうか。