越えてゆくもの

英国王のスピーチ コレクターズ・エディション [Blu-ray]

これは、一人の王の物語であり、一人の男の物語でもある。

吃音症だったジョージ6世が吃音を克服する物語なのだが、同時に王になるためのイニシエーションであり、一人の男が自信を取り戻す物語でもある。
そこには英国王室という問題もあり、吃音に悩む等身大の姿もある。

しかし、これは誰しもが当てはまることではないだろうか。
私たちは今、自信を失っている。特に日本人はそうではないだろうか。経済は下向き、政治は混乱、そして震災。
私たちは自信を取り戻す作業が必要なのではないか。

何かを克服したとき、人は大きく成長する。
ジョージ6世もまた、戦争スピーチを成し遂げたあと、自信に満ちた姿を見せ、堂々と国民に手を振っていた。
そこに吃音で兄に言い返せなかった男の姿はない。

実は壮大な物語は何一つないが、心に残るいい映画でした。

幻影博覧会 4 (バーズコミックス)

冬目景は好きなんですが、この人、終わらせ方がいつも下手なんですよね。
今回は割とマシな方でしたが、ラストに向けての盛り上がりにいまいち欠ける。
一話一話は面白いんですが、ストーリー作りが下手ですよね。