活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

夜空に光る綺羅星は、まばゆく燃ゆる恒星だと気づいているか

「基礎が大事」という本当の意味を理解しているか? - teruyastarはかく語りき

「基礎基本が大切」
いったい、この言葉をどれだけ生徒に言ってきたのか。
けど、その意味のほとんどを生徒は理解していない。


上記のサイトは、まさに「基礎基本」の大切さに触れている。
そうなのだ。基礎基本とは「意識していることを無意識にできること」だ。


運動をしている人は理解しやすいだろう。
グラブやラケットなどの使い方を考えながら使っている人はどれだけいるだろうか。
それは初心者だけだ。
ほとんどの人は意識することなく使っているはずだ。


もっと分かりやすく言えば、言葉を考えながらおしゃべりしている人はどれだけいるか。
ほとんどいない。
我々は無意識に言葉を繰り出している。
それは私たちの中に、日本語の基礎基本が存在するからだ。


役者もまたそうだ。
いったい、どこに台詞を思い出しながら演技している役者がいるだろう。
いるわけがない。
誰も彼も無意識に台詞をしゃべっている。
そうでなければ、自然に見えないからだ。それが役者の基礎基本だ。
演技は不自然に見えたら、その時点で失敗になる。どんな演技をしても、観客は違和感を感じ続ける。
自然に見えるよう、台詞や動きを何度も繰り返し、繰り返し体に覚え込ませる。


スポーツ選手も武道家も同じだ。
基礎基本を体に覚え込ませてこそ、はじめて先へ進むことができる。
基礎基本という型にはめることで、逆に自由になる。
一流の選手は基礎練習を好む。派手な特訓を好まない。
なのに、派手な動きで私たちを魅了する。


生徒の中にもひたすら問題を解いていく生徒もいれば、難しい問題ばかりに取り組む生徒がいる。
でも、合格するのはストイックに問題を解く生徒だ。
難しい問題ばかり解こうとする生徒は、あるラインで成長が止まる。多分、そこが(その時点の)生徒の限界なのだろう。


高い山は必ず広い裾野を持っている。
タワーのような山は存在しない。
それと同じように基礎基本が狭い人間は能力も高くはない。
でも、普段私たちはそのことに気づかない。
なぜなら、基礎基本とは無意識のものであり、意識されるのは結果だけだからだ。
人は得てして結果だけに目がいきがちだ。


しかし、本当に大切なことは目に見えない。
小さな王子様が言うように。