ソーシャル・ビジネス革命―世界の課題を解決する新たな経済システム
- 作者: ムハマドユヌス,岡田昌治,Muhammad Yunus,千葉敏生
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/12/22
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 42回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
小論文これだけ! 医療・看護編 ―短大・推薦入試から難関校受験ま
- 作者: 樋口裕一
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
小論文 時事テーマとキーワード 医歯薬獣編〈2011~2012〉
- 作者: 相澤理,内田和美
- 出版社/メーカー: 旺文社
- 発売日: 2010/09/23
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
最近、ソーシャルビジネス(あるいは社会企業)という存在がクローズアップされています。日本でもテーブル・フォー・ツーやカタリバがそれです。
利益を追求しない企業。
アメリカ型資本主義に慣れている私たちにとっては、ひどく不思議な存在のように思えます。
私たちは自己の利益の追求をしているようで、その実、他人のためになろうとしています。
従来の経済学では考えられない人間像です。
しかし、この人間像こそ21世紀に求められる人間像ではないでしょうか。
自己利益の追求をしながら、利他精神を持つ人間。
その可能性をユヌス氏は「持続可能なソーシャルビジネス」に見いだしています。
自己追求でもなく、利他に徹して滅私でもなく、継続可能な事業こそ、これから必要な存在と言えます。
それはこれまでのボランティアや社会奉仕ではありません。
それは医療の現場でも言えます。
医療現場はオーバーワークで破綻しかけています。
その原因は、医療従事者や医療組織の問題だけでなく、診療を受ける我々の側にも問題があります。
国民皆保険制度で、医療利益を受けるのが当たり前になり、「お客様」状態になっています。
それがコンビニ診療の問題を引き起こしています。
軽傷でも、すぐに救急診療や深夜診療にかかってしまう。保険料を払っているんだから、使わなければもったいない。そういう意識です。
それではいくら医療従事者が滅私で頑張っても無理です。
そのために、一番きつい小児科医や産婦人科医が辞めていきます。
滅私奉公では社会が回らないことを理解すべきでしょう。
私たちは、「持続可能な社会」を築くために、利己と利他のバランスを考えねばなりません。