- 作者: 高橋伸夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/11/10
- メディア: 新書
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本書はダメになる会社を、投資家と経営者から論じている。
投資家は投機家であってはならず、会社の夢に投資する人物でなければならない。
経営者は保身であってはならず、「資本主義の精神」をもつ人物でなければならない。
と、難しく書いているが、結局金儲けを第一優先に考えないことこそが「ダメにならない会社」ということだ。
孫社長の発言にもあるような「志」こそが会社をよくする一番の秘訣ということか(孫社長の講演自身はひどく嘘くさく感じましたが)。
本書では「資本主義の精神」をもった経営者は、専門経営者として会社が育て、株主や従業員が選抜すべきだとしている。
そうでなければ、そういう経営者の会社に、会社自身を身売りすべきだ、ともいっている。
確かにそうだが、だが、会社自身が育てる環境でなければ経営者は出現しない。すべては環境と育成だ。
正直、今ほど環境と育成が整っていない時代はないだろう。
アメリカ式資本主義の荒波とバブルで、日本の会社はずたぼろになっている。昔のように、終身雇用ではないので人材を育てる概念も薄い。
結局、己の信念がないと、人は低きに流れていく。
まさに「性悪説」そのままだということだろうか。