活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

世知辛い世の中なので

ダメになる会社企業はなぜ転落するのか? (ちくま新書)

ダメになる会社企業はなぜ転落するのか? (ちくま新書)

本書はダメになる会社を、投資家と経営者から論じている。
投資家は投機家であってはならず、会社の夢に投資する人物でなければならない。
経営者は保身であってはならず、「資本主義の精神」をもつ人物でなければならない。


と、難しく書いているが、結局金儲けを第一優先に考えないことこそが「ダメにならない会社」ということだ。
孫社長の発言にもあるような「志」こそが会社をよくする一番の秘訣ということか(孫社長の講演自身はひどく嘘くさく感じましたが)。


本書では「資本主義の精神」をもった経営者は、専門経営者として会社が育て、株主や従業員が選抜すべきだとしている。
そうでなければ、そういう経営者の会社に、会社自身を身売りすべきだ、ともいっている。
確かにそうだが、だが、会社自身が育てる環境でなければ経営者は出現しない。すべては環境と育成だ。


正直、今ほど環境と育成が整っていない時代はないだろう。
アメリカ式資本主義の荒波とバブルで、日本の会社はずたぼろになっている。昔のように、終身雇用ではないので人材を育てる概念も薄い。


結局、己の信念がないと、人は低きに流れていく。
まさに「性悪説」そのままだということだろうか。