活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

カイジだってアカギだって、みんなみんな生きているんだ

発想が面白い。
なるほど。動機と能力の重なる部分こそが自分の最適な仕事か。
当たり前のことだけど、これを堂々と言える人はなかなかいないよねえ。
みんな、「仕事なんてそんなものだ。がむしゃらに走れ」か「夢を追いかけない人生に意味はない」のどちらかだもの。


一番、面白かった発想は35歳をピークに人間の能力は減少するというもの。
それ自身はどうかな、とは思うのですが、確かに市場価値としての能力は35歳が限界なのかも知れません。


ただ、この人が調査している社会人って、割と上位層ですよね。
ホワイトカラーの中でも、さらに上位。
確かに、そういう人のキャリア論を考えることは必要だけど、むしろ今求められているのは、ホワイトカラーの下位層のキャリア論ではないだろうか。
正直、上位層はほっといても自分でキャリアを形成していきます。
だけど、下位層は社畜として生きていく道しかない。
一兵卒としての労働力としてしかカウントされていません。


そして、そういう人物が今の日本の大勢を占めています。
彼らのキャリアをどう形成していくか。彼ら自身がどう気づき、行動するか。
それが必要なのではないでしょうか。


本書は面白いですが、研究領域としては時代のニーズではない気もします。