- 作者: 天流仁志
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2010/03/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 宮本毅
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2010/06/16
- メディア: 単行本
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こういう学習本を読めば読むほど、高校生からの逆転が無理なんじゃないだろうか、と考えてしまいます。
彼らの言いたいことは、つまり、きちんと学習習慣をつけろ、ということです。
天流氏の学習作法も結局は反復練習のうえで生まれるものであって、日々の習慣がなければ何の意味もありません。
宮本氏も小学生からの学習習慣の大切さを訴えています。
どちらも「自分で考えること」が能力を大きく飛躍させるコツだと考えています。
ですが、いったいどれだけの人が「自分で考えること」ができているのでしょうか。
確かに、御三家や女子御三家レベル、あるいは公立トップ校レベルなら、そういう生徒もいます。
しかし、旧学区トップレベルでは、もはや自分で考えられない生徒が大勢を占めます。
中堅・下位校はいわずもがな。
そんな状況で彼らの言っていることは絵空事にすぎません。
個別ケースを見ればできるのかも知れません。
でも、そんなことができるようになるのは100人に1人いればよい方でしょう。
それをもって、「自分で考えること」の重要性を訴えられても、できない人間(というか、やってこなかった人間)はどうしろというのでしょうか。
それこそ、「社会の歯車(社畜)として生きろ、コラ」とでも言いたいのでしょうか。
別に彼らを非難したいわけではなく、彼らの言うことすらできない、理解できない高校生が数多にいる、ということです。
しかも、それが世間で言うそこそこ以上の高校だから困るんです。
自分たちができると考えているわけです。下手なプライドを持っているから、自分の現実を受け入れられない。
これは公立・私立問わず上位校に見られる現象です。
最近は偏差値50〜55程度の中堅校にさえ見られます。
はっきり言わせてもらえれば、その程度の偏差値校は下位校となんら変わりません。
中学校で簡単すぎることしかやってこなかったのに、なぜ自分はできると誤解できるのか。
しかも、それは塾でひたすらパターン練習をしたから合格しただけで、「考える力」があるわけではありません。
ひどいことに、塾では大学進学率の低い中堅校を「学力の高い、素晴らしい高校」と吹聴しているようです。
そうすることで、生徒の自尊心をくすぐって納得させる策を用いてさえいます。
だから、私はむしろ生徒に言いたい。
まず自分の現状を理解すること。そして、自分はできていないと認めること。
それができれば、天流氏や宮本氏のやり方で十分に伸びます。
しかし、それがない限り、日東駒専はおろか、よく生徒がバカにする「バ関東(関東学院大学のこと)」すら合格できません。
- 作者: ヤンミ・ムン,北川知子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/08/27
- メディア: 単行本
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でも、消費者もバカではありません。
もう、そういうことには飽き飽きしています。
だから、一見不親切、だけど、誇大広告ではない商品を売る企業を応援するわけです。
バブルの頃のような、大量生産・大量消費は終わったし、自分を着飾る消費ではなく、自分をステップアップさせる消費に変わっています。
いずれまた、以前のような商品が売れる時代も来るでしょう。
これは流行廃りの問題ですから仕方のないことです。
ただ、今の状況を見誤れば、それは企業にとって命取りです。
いつまでもバブル気分でいるべきではないでしょう。