活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

哀悼の意を込めて

http://gyao.yahoo.co.jp/p/00499/v08970/
日本で指折りのアニメ監督だった今敏監督が逝去されました。
千年女優』からファンで、そのあとの『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』とすべて見ています。


今回の『Perfect Blue』は今監督のデビュー作。
今監督らしい現実と虚構が混在した劇中劇を多用しています。どこからが現実で、どこからが虚構か。
その境界線が曖昧であるがゆえに、観客側の不安を煽ります。
現実だと思っていたものが脆くも瓦解していく様は、今監督らしい手法です。


ただ、今回の作品は割と素直な部分も多かったかなとも思います。
特にラストのオチ(犯人)は、ああやっぱり、と言ったところ。
でも、鏡の演出は面白かったですね。


今監督の作品に見られるのが狂気です。
本作で見られるような執着ゆえの狂気であったり、『千年女優』の純粋さゆえの狂気であったり、『パプリカ』の夢という狂気であったり。
その狂気が私たちのそばにも存在する気にさせることが、今監督の作品に引き込まれる理由でしょうか。


本作が1997年に制作されたことを考えると、彼のクオリティの高さに脱帽です。
本当に、彼を失った事実はアニメ界には大きいでしょう。