活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

後生畏るべし?

最近、各誌の漫画賞をネット上に掲載するのがブームらしく、ジャンプ・マガジン・サンデーと三大大手が新人漫画賞の受賞作を掲載しています。
とはいうものの、すべてを掲載されているわけではなく、入選以上と奨励賞・特別賞は掲載していないようです。
で、掲載されている中で、個人的に面白いものをあげてみました。


JUMPトレジャー新人漫画賞受賞作 |集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト

第14回JUMPトレジャー新人漫画賞 佳作『王様キッド』古舘春一
第29回JUMPトレジャー新人漫画賞 佳作『戦下に咲く』横田卓馬
第28回JUMPトレジャー新人漫画賞 佳作『-独裁者の嫁-』横山太一
第31回JUMPトレジャー新人漫画賞 佳作『BITER 〜バイター〜』高橋ミツハル


個人的に一押しは『王様キッド』。
これは『詭弁学派四ッ谷先輩の怪談』の作者で、トレジャー出身で唯一の連載作家だそうです。
個人的には『戦下に咲く』の作者も十分に連載に値すると思うんですが。
どうやら同人作家らしく、もともと同人誌では活躍しているようです。


http://kc.kodansha.co.jp/SEP/02065/01/nf/mgp/

2007年7月期MGP 佳作「パラレルグラム!」栖川原弘務
2007年8月期MGP 佳作「チャラ坊」三原彬
2008年2月期MGP 佳作「スピリットオブストレート」上元拳悟
2009年2月期MGP 佳作「ねこ姉」島崎一平
2009年10月期MGP 佳作「マイフット」石坂ケンタ
2010年4月期MGP 佳作「再会∞」吉屋操


http://kc.kodansha.co.jp/SEP/02065/01/nf/newface/

第82回新人漫画賞 特別奨励賞「かなりエアな男」杉浦進弥
第82回新人漫画賞 特別奨励賞「苦嵐狗・寅」小林キナ
第82回新人漫画賞 特別奨励賞「キミニサチアレ」赤井漠
第84回新人漫画賞 特別奨励賞「SPICE UP」小宮山由依


マガジンはMGPと新人漫画賞がありますが、これといって推せる作品はないですね。
あえて言えば、「マイフット」がマガジンらしいかな、と思うくらい。
入選や新人漫画賞の佳作がないので、当たり前と言えば当たり前ですが。


サンデーうぇぶり | 完全無料! 毎日更新!
新人コミック大賞 入選『コリジョン・コースズ・サバイバー』湖山倫啓
12/1月期まんがカレッジ 佳作『COSMOS MUTANTS』ひろばぎんが
3/4月期まんカレ佳作『サンタさんの時計』 加藤広史
3/4月期まんカレ佳作『ドロケイドロ〜D級学園ドラマ』 平岡秀章
まんカレ佳作『Francesco』 梧桐柾木
まんカレ12・1月期佳作『デモーニッシュザイン』 雨乃月靉一
新人コミック大賞入選作『ライヒ考古学研究室』 大寺義子
新人コミック大賞佳作『RUSH』 阿久井真


平岡秀章と梧桐柾木は今すぐにも連載作家になれる実力はあると思うんですよねえ。
でも、まだ連載をしていないようです。
まあ、そのうち連載するでしょう。


こうして全体を俯瞰すると、どの受賞作もストーリーやキャラはかなりうまい。
でも、絵が下手だったり、構成が下手だったりします。
これだけ漫画が普及していることと、映画やドラマなどを見る機会が多いので、そのあたりは必然うまくなっていくのでしょう。
絵や構成は見ているだけではうまくなりません。実践しなければ上達をしません。
そのあたりは『バクマン。』の通りでしょう。


特に目立つのはコマ割などの構成力が弱い作家が多いこと。
どう見せる(魅せる)のかに無頓着な作家が多い気がします。キャラ性でそれっぽく見せているせいでしょうか。
コマ割は漫画独自の手法ですし、それでキャラやストーリーを生かすこともできます。
その辺で上手さを感じるのは梧桐柾木古舘春一です。


なのに、なんで『四ッ谷先輩』終わっちゃうのかなぁ。
ってか、2巻に載っている読み切り作品、『王様キッド』より面白くないんだけど。


……って、面白い作品に飢えているだけですね。