活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

統計は傾向であって決定打ではない

未来思考 10年先を読む「統計力」

未来思考 10年先を読む「統計力」


ううん、神永さんも一発屋で終わるのか?
前回の『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』は統計学の見地から、それまでの(マスコミなどの)統計分析が正しいのか、について論じていました。
今回もまた、「少子化」「結婚」「高齢化」「雇用」というキーワードに関する統計を分析し直しています。


しかし、前回ほどの面白さがない。
前回ほどの言い切りがない、といった方がいいですね。
そもそも複雑な要因の絡んだキーワードを持ってきたせいでしょうが、結論が曖昧になっています。
確かに統計をよく使い、本当なのか疑問に思えるキーワードですが、統計だけでは見えない部分もあるものでもあります。
なので、結局たいしたことがいえず、「そりゃ、そうだよね」という感じで終わっています。


データをどう扱い、どう分析していくのか。
そういう統計学の思考は今後重要になってきます。
しかし、残念ながら統計はあくまで統計であり、総体にすぎません。「結婚」というパーソナルな部分では、必ずしも役に立ちません。


本来なら、別のキーワードで展開すべきところでしょう。
雇用をもう少し掘り下げても面白かったかも知れません。
編集が「こういうキーワードが売れますよ」とささやいたのかも知れませんが、失敗だと思います。
少なくとも、次も買おうとは思いませんね。