- 作者: 神永正博
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/02/05
- メディア: 単行本
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ううん、神永さんも一発屋で終わるのか?
前回の『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』は統計学の見地から、それまでの(マスコミなどの)統計分析が正しいのか、について論じていました。
今回もまた、「少子化」「結婚」「高齢化」「雇用」というキーワードに関する統計を分析し直しています。
しかし、前回ほどの面白さがない。
前回ほどの言い切りがない、といった方がいいですね。
そもそも複雑な要因の絡んだキーワードを持ってきたせいでしょうが、結論が曖昧になっています。
確かに統計をよく使い、本当なのか疑問に思えるキーワードですが、統計だけでは見えない部分もあるものでもあります。
なので、結局たいしたことがいえず、「そりゃ、そうだよね」という感じで終わっています。
データをどう扱い、どう分析していくのか。
そういう統計学の思考は今後重要になってきます。
しかし、残念ながら統計はあくまで統計であり、総体にすぎません。「結婚」というパーソナルな部分では、必ずしも役に立ちません。
本来なら、別のキーワードで展開すべきところでしょう。
雇用をもう少し掘り下げても面白かったかも知れません。
編集が「こういうキーワードが売れますよ」とささやいたのかも知れませんが、失敗だと思います。
少なくとも、次も買おうとは思いませんね。