活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

もっさりいろいろ

間違っても、創作の手助けとしてホラー映画を見てはいけないな、と思ったり。
ダイアリー・オブ・ザ・デッド』を見ましたが、キャラがひどいひどい。
どうやったら、こんなお馬鹿な行動ができるのかと思えるくらいです。
天下のジョージ・A・ロメロ監督でさえ、この有様ならほかのホラー作品も推して知るべし。


確かに、ホラーとしては一級だし、最後のウィットもすごく効いています。
作品としては素晴らしいけど、登場人物を見ると……。
なるほど、これが若桜木先生が言うところの、キャラにバカな行動をさせることですね。
納得。


さよならペンギン (ハヤカワ文庫 JA オ 9-1) (ハヤカワ文庫JA)

さよならペンギン (ハヤカワ文庫 JA オ 9-1) (ハヤカワ文庫JA)

タイトルに惹かれて買ってみたものの、さほど面白くなかった。
平行世界の考え方はなるほど、と思えるんだけど、その後の展開がちゃっちくて興ざめ。
もう少し規模を大きくしてもいいかな、と。
伏線の使い方は上手な作家なんですけどね。


中世民衆の世界――村の生活と掟 (岩波新書)

中世民衆の世界――村の生活と掟 (岩波新書)

いわゆる民衆史という扱いでいいのでしょうか。
これまで村落は搾取されるだけの存在だと考えられていましたが、自衛する独立した存在として論じています。
村の掟があり、時に実力行使も辞さない存在であり、その対処には大名や領主も苦慮している姿が浮かび上がっています。


ここで面白いのは、支配者は完全なる庇護者ではなく、村落の自衛を認める存在であり、村落と領主の調停者である、という点です。
ここから浮かび上がってくるのは、支配者=大名の支配権力は絶対ではない、ということです。
村落にはあくまで自力救済を求め、自軍の狼藉については自分たちで何とかせよ、といっている以上、その村落が完全な支配下に置かれているといえるだろうか。


もちろん、村落が領主から独立することはできない。その意味で、村落は領主や大名の支配下に置かれている。
しかし、村には自治があり、その年の年貢を納めれば逃散することもできるのであれば、半分独立した存在と見なしても問題ない。
つまり、私たちが考えていた中世村落は幻想でしかない、ということです。
無縁といい、今、中世が熱い!