活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

愛だろ、愛

バクマン。 8 (ジャンプコミックス)

バクマン。 8 (ジャンプコミックス)

中井さん、悪い男になっているよ〜。
いや、持てない男にありがちなパターンではありますが(しかも、狭い世界)。
せっかく、少し前までピュアな男だったのに、いつの間にそんな堕落してしまったの。


しかし、恋愛ものに取り組んだわりに、あっさり終わってしまいました。
もう少しどろどろな関係を作り出してもいい気もしますが。


この調子でいくと、蒼樹紅と福田真太がくっつくのが濃厚そうです。
個人的には、ここに加藤さんも絡めて、三角関係を作り出しても面白いと思いますね。
高浜君も「マンガが描ける人が好きなんですよ」といっていますし、加藤さん自身も「年下が好み」といっているところから、複線としてなきにしもあらず。
まあ、ないとは思いますが。


本誌では岩瀬愛子は服部さんへ傾倒していますし。そっちはそっちで面白いんですが。
恋愛路線はしばらくないかなぁ、と。
複線といえるものも、一通りやりきっているので、ここらで新しいキャラクタが出てくる感じか、急展開が待っているか。


まだまだ面白い感じで続いてくれると思います。


電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

ここには本に対する愛があります。


確かに、出版界は保護されすぎているし、自ら作ったプラットホームで自縄自縛状態。
早々に変わることができないのは確かです。


ただ、この電子書籍の出現がそれを大きく変えるチャンスです。
本書は電子書籍の出現により、出版がどう正常化するか、を提唱しています。
電子書籍を奉っているというより、電子化が先行する音楽業界を引き合いに出しながら、これからの出版がどうあるべきかについて語っています。


彼の論旨は主に二つ。
一つは出版社のあり方です。これまでの編集だけでなく、プロモーションも含めた全方位的な展開が必要であり、それができない出版社は衰退していくと考えています。
もう一つはスモールビジネス化です。これまでのように誰もが読むような作品は存在せず、小さな興味の範囲内で商品が売れていく、というものです。


そうして、一つの形として、表現者が受け手にダイレクトに関わっていく事例(まつきあゆむ)を挙げています。
私としては、文学やマンガもそういった方向性に流れていく可能性は高いと考えています。
電子化は個人で出版するコストを最小化し、公開の場を提供しています。
もちろん、セルフプロデュースという問題もありますが、現段階でも積極的な作家がいるので、遅かれ早かれ実施されることでしょう。


また、本論ではマイクロインフルエンサーによる広がりも考えています。
これまでのマスではなく、ブロガーなどによる広がりです。
つまり、出版の制作から流通、展開までがネット上で行われることを想定しているわけです。
音楽業界を考えれば、出版業界もその流れは必至でしょう。


しかし、それがこれまでの出版業界の問題点を解消してくれる、と本書は考えています。
私もそう考えています。特に新刊のニセ金化は年々ひどくなる一方です。
それに伴って、本の質の低下が著しい。
特に、新書は最たるものでしょう。新書ブームに乗っかって、多くの出版社が新書を作り出したのも、このためじゃないかと邪推します。


この本からは本当に出版業界に対する憂いと本への愛情を感じます。


ただ、気になったことが一つ。
もし、電子書籍が一般になったら、間違いなく本屋は崩壊するということ。
なくならないとは思いますが、今のCDショップと同じように、大型店だけが生き残る零細業界になってしまうことでしょう。
それはそれで悲しいかな、と本好きは思うわけです。