活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

最近読んだもの


バクマン。 7 (ジャンプコミックス)

バクマン。 7 (ジャンプコミックス)

やっぱり、『バクマン。』はいいですね。
体調不良による休載、その後の低迷、方向性で編集と衝突など、マンガ家にありがちなケースを用いながら、でも、マンガとして成立している。
他のマンガ家マンガだったら、マンガ家自体をネタにするか、コメディタッチにせざるをえません。
しかし、『バクマン。』は見事に「物語」りしています。


最初の恋愛パートが強引だったものの、それ以降は見事に作られています。
素晴らしかったのは、原作者と作画のコンビだったところです。
一人だったら物語として息詰まるところを、二人だからこそ物語に広がりがあります。
いやぁ、大場つぐみおそるべし。


世界がわかる宗教社会学入門 (ちくま文庫)

世界がわかる宗教社会学入門 (ちくま文庫)

内容的には非常にオーソドックスで、これでもか、というくらい基本です。
だからこそ、入門書としては素晴らしい。

しかし、「宗教社会学」という分野はどうなのだろう。
宗教はそれ単体では存在しえません。バックボーンとなる社会が存在してこそ宗教は存在します。
つまり、宗教と社会は不可分なのです。


もちろん、宗教社会学がれっきとした学問の一分野であるのは分かります。
宗教学そのものが神学から派生し、社会性を論じてこなかったのも分かります。


民族・宗教・社会は密接した関係にあり、それを抜きにした論議は現在では成り立ちません。
ゆえに、宗教を論じるときに、その社会を考えるのは必定。
それが「科学的論証」ではないでしょうか。
歴史の分野でいえば、「歴史社会学」「歴史政治学」と言っているのと同じで、それを抜きにした歴史学が存在するのか、といえます。
もちろん、研究の方向性で宗教からみた社会の形成や背景論はありです。
ですが、それが単独した一分野であるべきか、は考えるところでしょう。


いえ、もちろん、本書はすばらしいです。
宗教を知りたい方への入門書としてお勧めです。