活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

収奪経済からの脱出

http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20091227/1261924397

何かと叩かれるフランチャイズ形式。
あたりまえなんですよ。フランチャイズそのものが、本部がいかに現場の苦労なしに利益を収奪するか、というシステムなんですから。
じゃあ、オーナー側のメリットは何かといえば「看板」「流通」の二つです。


「看板」とはつまりネームバリューです。
「にこちゃん弁当」よりも「オリジン弁当」のほうが安心感がありますよね。もしかしたら、年齢が高い方は「ほか弁」のほうが安心感があるかもしれません。
これはすべて名前を知っているかどうか、です。
人間は名前やどんな店かを知っているほうに親近感を得ます。
また、ブランドイメージが確立している「看板」なら、特定のイメージを顧客に植え付けることができます。
ソニー」と「日立」を並べた時、どうしたって「ソニー」のほうがセンスがよさそうだ、と判断してしまいます。
事実はどうであれ、人間が一度植え付けられたイメージをなかなか払拭することはできません。


「流通」とは物資のことです。
コンビニであれば、中間業者との商品取引なしに商品を得ることはできます。
このメリットは非常に大きいです。
店舗規模にかかわらず、あれだけのバラエティー豊かな商品を取り扱えるのは、コンビニの流通システムがあってこそでしょう。
通常、個人経営では特定の卸業者との取引なので、取り扱えない商品もあります。
少し状況は違いますが、町の電気屋さんは特定のメーカーとの取引しかできない仕組みなので、他メーカーの商品を取り扱うことができません。


これだけのメリットがあるフランチャイズですが、金銭面になると一変します。
高いロイヤリティ、セブンイレブンのようなオープンアカウントなど、金銭に関しては本部が一括で握っています。
本部からすれば店舗なんていうのは、金を生む鶏位にしか考えていません。
「俺らの資産・設備・システムを使わせているんだから、金を生みだせよ」といった感じですね。
なぜならば、本部と店舗の関係は絶対的に本部が優位だからです。
本部の資源を使って、店舗は運営されているようなものです。店舗が文句を言えるはずもありません。
ジャイアンとスネオの関係のようなものです。
親分の言うことに子分が逆らえるはずもありません。だから、店舗は不満があっても反旗を翻すようなことができないのです。


フランチャイズが問題であるのは分かり切ったことです。
そのメリット・デメリットを分かっているならば、上記のブログのようにやり方があるのでしょうが。


ここで問題にしたいのは、フランチャイズを含めた企業体質です。


問題とする企業体質とは、「教育」を軽視する体質です。
人材が重要だ、とのたまいながら、その実、人材の使い捨てが激しい。
特に、私は中途採用だったので、少なくとも自分の会社の、その現実がよく見えました。
もちろん、中途採用なので本格的な研修・教育を期待することはありませんでした。中途採用は「ある程度の即戦力」が求められるからです。
しかし、一切研修などありませんでしたね。
OJTの名のもとに、放置プレイ。


新入社員の状況も似たようなものでした。
1か月程度の研修ともいえない研修(システムを説明しておしまい)で、あとは現場に丸投げ。これもまたOJTという名の放任主義です。
それで人材が育たない、とはどの口が言うんでしょうか。


よっぽど人材教育に力を入れている企業でない限り、状況は似たようなものではないでしょうか。
逆に教育に力を入れれば、この不況下であっても企業を成長させられるはずです。


挨拶を強化すると何が起こるか?:日経ビジネスオンライン


まさに、これがいい例でしょう。
挨拶の徹底だけで状況が一変します。
当然、アルバイトも含めた教育というのに時間も労力も掛かります。
しかし、それをしなければ企業はじり貧になっていきます。教育の拡充こそが不況を打破する一助です。


私が働いている企業は塾・予備校産業ですが、そこですら(というか、そここそが)社員教育をしていません。
ある程度の研修を終えたら、OJT、勝手にしろ、といったところです。
だから、離職率が高いんですよね。


もう、どげんかせんといかん、わけですね。
この問題は果たして解決できるのでしょうか。