- 作者: 河本敏浩
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/12/16
- メディア: 新書
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世に「名ばかり大学生」のいかに多いことか。
そもそも「名ばかり大人」の多すぎることか。
学生の質が落ちている、それは当り前。
社会の質が落ちている、それも当り前。
だって、そういう世の中にしてきたわけじゃないですか。
そういう「アホ」でも生きられる世界にしたわけでしょう、我々が。
いくつものデータをそろえて論じている内容は正しいと思います。
一つ、受験の最終目標である大学受験が変化しなければ、受験システムに支えられた学生の質は変わらない。
一つ、受験における一種の「神話」思想を変革しなければ、社会の思想が変化しない。
でもね、仕組みを変えること、思想を変えることは並大抵ではできません。
それこそ「日本を今一度洗濯し」なおさなければならないくらい。
それに、今の受験システムの勝ち組が、このシステムを変化させるとは思いません。
彼らは現時点で「詰ん」でいるんです。これ以上、何かしようなんて、これっぽちも考えていません。
東大を出て、官僚になって、事務次官になって、天下って、とルートは決まっています(当然、ほかのルートもありますが)。
そんな連中が何をするというんですか。
だから、今「竜馬」ブームなのかもしれません。
だから、戦争容認論が出るのかもしれません。
現システムの勝ち組が、現システムを変革することはありません。
それが一番の問題です。
勝ち組がルールを作りだすシステムそのものが、すでに無限ループに陥っているのに、どうして変革できるのだろうか。
それは社会全体だけでなく、企業も、大小の組織もすべてそうです。
そこを変えられない限り、この日本という何かが変わることはあり得ないでしょう。