活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

明日なき未来へ走れ

http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090920/bks0909200759000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090921/acd0909210151000-n1.htm


本が売れないという。
その大きな理由が出版数の増加だ。
あまりにも多くの出版数に書店が対応しきれずに、その日に返本するものもあるという。


では、なぜ出版社はそういう現状を知りながら、次々と新しい本を出版するのか。
それはすでに『本の現場』で述べられている。

本の現場―本はどう生まれ、だれに読まれているか

本の現場―本はどう生まれ、だれに読まれているか

著者は原因を「再販制」にあるとしている。
出版社は取次に販売を委託し、取次が書店へと書籍を流通させている。この取次が出版の金融をも担っている。
どういうことかといえば、出版社は書籍を委託した段階で金銭を得ることができる。そして、返本された冊数に応じて差額を支払っているというのだ。
資本のない出版社はこれを利用して自転車操業をしている、という。


しかし、一方でネット書店が順調だ。特にアマゾンがここ数年大きな伸びを示している。
デジタルの特徴である検索性を生かし、目的の書籍を探しやすい点、顧客の傾向から商品を勧めるシステムなどが要因だろう。


ここから出版業界の問題が浮かび上がる。
硬直した構造が自らの首を絞めているのだ。
構造改革次第では出版・書籍の可能性はまだあるだろう。