活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

寝る間も惜しんで


最近、寝る間も惜しんで本を読みあさっています(通勤睡眠を削って(笑))。
しかし、相変わらず節操のないジャンルの読み方です。我ながら笑えてきます。

さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫)

さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫)

似鳥鶏『さよならの次にくる‹新学期編›』
葉山君、モテオーラ出てますよ。死期が近いのでは!?
と思うほど、モテてますね(苦笑)。
『理由あって冬に出る』のシリーズ第2弾後編に当たる本作。無敵探偵伊神さんが卒業し、2年生になった葉山君のお話。
しかし、やはり主役は伊神さんですね。ほとんど安楽椅子探偵じゃないですか。


柳瀬さんのラブラブ光線に気づかない葉山君はどんだけ鈍いんでしょうか。
その一言に尽きる作品でした(笑)。
それはさておき。
前作からの伏線も含め、伏線の使い方の上手な作品です。伏線の使い方に無駄がありません。ゆえに、分かりやすいとも評せるのですが。


ただ、このくだらなさは好きですね。
特に傍注は絶品です。本作と何の関係もないですが。
そういう遊びができる作家は面白いですね。


東大生が教える!超英語術

東大生が教える!超英語術

大森有貴『東大生が教える! 超英語術』
多いですよね、こういう東大生が教える〜、って。
ただ、非常に当たり前のことばかり描いているんですよ。そこはなるほど、東大生だな、と思います。もっとも、東大生でなくとも同じですが。
彼らの特徴として、「基礎の重要性を本当に理解している」「そのための戦略を持っている」ことが挙げられます。
「そんな当たり前のこと」と言いますが、基礎の重要性を理解しているようで、その徹底ができない生徒はかなり多いです。そこに問題があるのですが。


もちろん、基礎の重要性が分かっていてもできない生徒もいます。それは自分の学力を上げるための戦略を持っていない生徒です。
要するに、どうすればいいのか分からない生徒です。
だから、とりあえず単語ばかり〜、英文ばかり〜、になって飽きてしまうんですね。
戦略のある生徒は志望大学に合格します。
結局、そういう能力を育ててこなかった本人の問題なんですよね、受験って。


本の現場―本はどう生まれ、だれに読まれているか

本の現場―本はどう生まれ、だれに読まれているか

永江朗『本の現場』
出版業界の現状をまとめた秀作です。
一つ一つは言われ続けてきたことでしたが、まとめられた方は初めてではないでしょうか。
若者の読書離れなんて嘘です。学生こそがいちばん本を読んでいる世代でしょう。
しかし、彼らはいちばん貧乏な世代でもあります。
だから、売上はほかの世代のほうが高い。しかし、読んでいる量はいちばん多い。


本書でも言われているとおり、出版業界は変革しなければならないと思います。
どう変化すべきかはまた考えるところですが、出版社の自転車操業と書店の金太郎飴状態はどうにかしなければなりません。
それぞれ意見はあるところだと思いますが、少なくとも出版社・取次・書店の硬直した関係が一番の問題でしょう。