活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

あまのじゃくですから

最近、やたらと官僚が悪者扱いされているので、たまには擁護してみようかな(苦笑)。
もっとも、あまのじゃくな性格なので人と違うことをしているだけですが。


官僚がたたかれている点は2つ。
ひとつは天下りです。
しかし、この天下り。実は合理的な理由があって始まったものです。
官僚は最終的に事務次官になるための、いわば幹部候補生です。そのために、中央で数年働いたのち、地方の長官級になり、そして中央へ課長級で戻ってくる。そこで徹底して仕事を覚えたのちに、もっとも優秀な人材を事務次官とします。
実はきっちりとした教育システムが存在します。


この教育システムによって排出された事務次官が省庁を動かすわけです。
しかし、ここに問題が発生します。
事務次官になれなかった課長級(基本、事務次官の下は課長)の官僚です。
彼らは40代がほとんどなので、定年退職するまで少なくとも10年以上あります。
官僚は毎年採用されます。ですが、ポストには限りがあります。
結果、彼らには早めに省庁より退場してもらわなければなりません。そうでなければ、若手が育つことも、ポストを明け渡すこともできないからです。
どこぞの大企業のように、わけのわからないポストを作れれば別ですが(笑)。


では、課長級だった官僚はどこへ行けばいいのか。
それが公益法人特殊法人)です。
省庁の関連団体へ天下れば、天下りもしやすいですし、彼らの能力も活かせる。いわば一石二鳥の策だったわけです。


もう一つは官民の癒着の問題。
これはかつて省庁がハード・ソフト両面で民間に勝っていたことが原因でした。
どういうことかといえば、かつて最新機器は省庁が独占的に所有していました。単純に高すぎて民間では買えなかったことが原因ですが(特に高度経済成長期まで)。また、もっとも優秀な人材を官僚として抱え込んでいますから、人材面でも民間を上回っていました。
当然、その積み重ねは非常に大きいものと言わざるを得ません。


ゆえに民間は省庁のご機嫌を伺わなければならなかったわけです。
もちろん、仕事をくれる側ということもありますが。


しかし、現在。
技術も知識も、機器も企業のほうが上です。
また、政権が継続され続けたために、それを是正する機会がありませんでした。
結果、今のような状況になったわけです。


以上、必ずしも悪いことではなく、もともと合理性のあったことだったわけです。


と、官僚の肩を持ってみたりする(笑)。