活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

老兵も死に行く現場


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090815-00000132-yom-soci


結局、フランチャイズ形式というのは新しい搾取形式だな、と実感。


本来、フランチャイズの良さは個人が起業する際にブランドや流通などの仕組みを得られるところにありました。
それまでは個人が起業しても、町の一店舗。
地域の中で戦わなければなりませんでした。
しかし、今は銃後からの補給なくして戦争することはできません。
言い方を変えると、フランチャイズというのは、それまで地域の酒屋や雑貨店が小隊規模でゲリラ戦を仕掛けていたのを、セブンイレブンならセブンイレブンという大本営が統括することで師団や旅団規模の軍隊に組み込まれる仕組みでした。
そうなると、当然戦略もガラリと変わります。
それまでのゲリラ戦のような、一人の顧客に注力するのではなく、爆撃を行って不特定多数の顧客を得ていく方式になりました。


しかし、じゃあ、小隊自体は何か変わったのか、といえば何も変わりません。
むしろ、自分の考えで店舗を変えることもできず、補給物資以外で戦闘することもかないません。なにより、味方であるはずのほかの小隊と水面下の戦闘をしなければなりません。


これはどういうことか。
フランチャイズは元をただせば、違う企業の集合体です。
ただ、看板とノウハウ、補給物資が同じだけで、必ずしも味方とは言えません。第一、小隊同士が味方という認識ではありません。
当然、駅の反対側同士に同じコンビニができることだってあり得ます。
その場合、有機的なつながりは一切なく、まるでアメリカがアフリカだか南米だかの敵同士へ援助をしているようなものです(笑)。
見た目は同じなのに、争い合っているって馬鹿な話がありますか?


間違いなく、顧客から見たらどう違うのか、理解することができないでしょう。
もしかしたら、働いているアルバイトも分からないかもしれません。
日本人から考えれば、スンナ派シーア派がなんで戦っているのか分からない状態です。だって、同じイスラム教じゃないの? という感じですね。


では、どうしてフランチャイズ形式が存在するのか。
大本営側からいえば、リスクが低いからです。直営で何から何までそろえるより、ノウハウや流通経路を貸し与えたほうが儲かります。いえ、規模が大きくなればなるほど大本営が得をするのです。
しかも、つぶれてもつぶれたのはフランチャイズの企業。大本営はまた別な企業に同じ場所でやってもらえばいいだけの話です。
しかも、年間の看板代が定期的に入ってくるうえ、大本営はエリアマネージャー(企業によって名前は違う)を送り込んで改善すればいいだけです。つまり、大本営のリスクは全店舗が撤退しない限り、保障されているも同然なのです(*)。


フランチャイズ側もブランドという看板は魅力的です。
今や、コンビニもファミレスもどこにでもあります。どうしてもあそこへという意識はないでしょう。
そうなると、近いところか名前のあるところに行きます。
同じ距離のホットスパーセブンイレブンではどちらへ行きますか?
80%以上がセブンイレブンでしょう。それが現実です。


この現実がフランチャイズという奴隷制ともいえる状況を生み出しています。
もちろん、同じフランチャイズでも自由度の高いフランチャイズもあります。
問題は硬直したフランチャイズでは未来はない、ということです。




(*)現実には全店舗というのは無理があります。ただし、2,3割が一気に撤退したらニュースになり、致命的な結果をもたらすかもしれません。もっとも、数千から数万店が一気に撤退することはあり得ませんが。