- 作者: 宮崎正勝
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2008/10/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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学生時代、歴史が苦手で、でも世界情勢を知るために世界史をもう一度勉強したい。
そんな人にお勧めかも知れません。
本書の特徴は、とにかく無駄を省いています。
歴史系の解説書はあれもこれも書きすぎることが多く、一般の人には胃がもたれる感じがします。
しかし、本書はむしろ少なすぎるんじゃない、と言えるほど、簡潔に書いています。
その点で、本格的に歴史を知りたい人にはもの足りません。
ただ、世界史の書籍に多く見られる、キーワードごと、横断的(地域的広がり)はある程度分かるのですが、縦断的(時系列)には分かりづらいと感じました。
これは世界史の教科書自体に見られる弊害なので仕方ないと言えば仕方ないのですが。
どうしても、全地域を時代ごとに並行して見ていくので、その時代は俯瞰できても、じゃあインドは古代から現代までどうなっているの、という問いには断片的です。
たぶん、世界史を勉強しようとして挫折した多くの人は、そこが原因だったのではないでしょうか。
そういう観点から、本書もけっして良い本とは言えないでしょう。
ただ、現在の世界情勢の根底にあるのが、歴史的にどういう問題なのか、を考えるうえで入門書的な位置づけにあります。
なので、手放しで面白い、とは言えませんが、目的を見誤らなければ良書といえるでしょう。