活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

金も女もいらねえ、わたしゃも少し映画がほしい


今日はいろんなことを忘れて映画三昧でした。
まず、新宿ピカデリーで『ダークナイト』を観て、そのままバルト9で『スカイ・クロラ』を観て、さらに自宅でDVDの『アイ・アム・レジェンド』『バイオ・ハザード3』『麦の穂を揺らす風』を観ました。


朝10時から見始めて、終わったのが深夜0時。おおよそ14時間、映画を観ていた計算になります。もちろん途中に休憩はあるものの、10時間以上観ていたことになります。
我ながらよく観たものだと感心、感心。


その感想を。
まず『ダークナイト』。新バットマン(『バットマン・ビギンズ』)の続編です。実は前作を観ていないのですが、それでも充分に楽しめました。なによりジョーカーがよかった。あのイカレっぷりは圧巻です。表面的な狂気ではなく、動きや言葉の端端から狂気の片鱗が覗く演技に酔いしれました。
物語自身もバットマンならではのダークヒーローで、報われなさが前面に押し出されています。しかし、あの人を殺して続編ができるのでしょうか(誰かは劇場でお楽しみ下さい)。ジョーカー役の俳優も亡くなりましたし、しばらくは観られないでしょうね。


押井守監督『スカイ・クロラ』は相変わらず押井節炸裂です。
イノセンス』の説明臭さがなく、むしろ関係性と雰囲気で伝える間接技法を用いたことが成功でした。あれで説明されたら幻滅ですね。ただ、『パトレイバー』から『スカイ・クロラ』につながる一連の押井監督作品に流れる哲学が、どんどん一般の方には分からない方向へ進んでいます。
確かに間接技法ゆえに分かりづらい部分はあるものの、結局あなたは何を言いたかったの? むしろエヴァ?(笑)のような感想も否めません。遂にあなたもそちら側へお隠れになったのですか。と言いたいですね。
映像自体も新しいといえば新しいけど、アングルにこだわりすぎて、どういう視点から見ているのかがよく分かりません。
ラストシーンである種の救いを描いていますが、昔あった『DESIRE』のような無限エンドレスようなハッピーエンドではないような。


アイ・アム・レジェンド
ストーリーは非常にオーソドックスで面白かったです。
しかし、ストレートすぎて物足りない感も拭えません。予兆的な部分は巧いのですが、主人公の動機付けが薄いんですよね。そこが気にかかりました。


『バイオ・ハザード3』
本当に終わるのか、そんなことが気になって借りてみましたが、やはり終わらないんですね。
作品自体も前二作品と異なり、なんかタランティーノ的な匂いを感じさせるのは私だけでしょうか。


『麦の穂を揺らす風』
ケン・ローチの挑戦的作品。
イギリス人がアイルランド問題について真正面から描いた作品です。
1920年独立運動から自治領となったところまでを描いています。描き方が綺麗事ではなく、悲劇にしか転がっていかないアイルランド問題をアイリッシュから考えています。
イギリス人からアイルランドを取り戻すために汚いことまでしたのに、結果自治領となる。そのことが今度はアイリッシュ同士を戦いへと向かわせる。その矛盾をIRAに身を投じた兄弟を通して見ています。
救われない、だからこそ考えるべき問題がここにあると、彼が訴えているようでした。