レバレッジ、地頭力、フェルミ推定などビジネス書は、最近新語がやたら目立っています。
そんな中で、細谷功『地頭力を鍛える』を読んでみました。
- 作者: 細谷功
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/12/07
- メディア: 単行本
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正直言えば、目新しいのはフェルミ推定だけでした。
ただ、私が常々考えていたことを、理論化された本でもありました。
それは、主に二つあります。
一つは、知識力・対人力・思考力というベクトルを図にしたことです。
確かに、今までは知識・経験こそが絶対だと考えられてきました。私自身、知識偏重な部分があります。
しかし最近、知識はあるのに、それを使いこなせない人がかなりいます。知識そのものはネットの普及によって、ネットワークにそこかしこに存在します。情報それ自体は価値を持たない時代になったのです。
だから、知識を使いこなす知恵(思考力)が必要だ、と考えていたわけですが、この筆者はほかに「対人感応力」すなわち臨機応変さを挙げています。
これは面白いな、と正直思いました。
もう一つは、問題を「全体から」「結論から」「単純に」することです。これ自体も、歴史をやっていた人間としては、半分当たり前のような気がしますが、それを真正面から解説した方は少ないように思います。
まず、全体を俯瞰し、結論から考え、それを単純化(公式化)する。そうすることで、普遍的なことへと転換することができます。そうすると、それは応用力に繋がらないでしょうか。
以上の理由から、この著書は非常に面白かったですね。
ただ、当たり前といえば当たり前なんですが。
その当たり前が分からない人間があまりにも多いということでしょう。