ライトノベルは、すでに一つのジャンルではなく一つの要素のような気がします。
もちろん、ティーンエイジャー向けのジャンルとしてのライトノベルは存在します。しかし、桜庭一樹、有川浩、乙一、西尾維新、日日日など、ライトノベル出身、あるいはライトノベル的な作家はかなり多くいます。そうした中で、ジャンルを超えた作品も多く存在します。それはもはやジャンルとしてのライトノベルではなく、要素としてのライトノベルではないでしょうか。
一番分かりやすい例は、西尾維新でしょう。
ミステリでありながら、テイストはかなりライトノベルです。
彼らはライトノベルの要素を取り入れながら、ジャンル小説で勝負をかけています。そういう姿勢の作家が「ライトノベル」作家として、大衆小説から注目を浴びています。
逆に言えば、ライトノベル・ジャンルから出てきたのではなく、ライトノベル要素を取り入れた作家、というべきでしょう。
だから、ジャンルのライトノベル自体はレベルの低い作品が多い一方で、そのような作家が出現するわけです。
この辺は、様々な要因があるので、一言では言えないですが、少なくとも現在ジャンルを超えた作家は、そういう傾向にあると思うわけです。