活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

オチはないけれど、

今日は休みだったので、はじめて落語を見に行きました。
素晴らしい! ただ、その一言に尽きます。
テレビでは見たことがありましたが、ライブはまったく違います。これが落語か、と心から楽しみました。


場所は新宿末廣亭
 


見たのは、1月下席の昼の部でした。
最初は若手の前座だったり、それほど面白くないのですが、各所にベテランを配し、さらに漫才やマジックなどを合間に入れ、飽きさせない構成になっています。
気が付けば、あの世界観にのめり込んでいました。大笑い、大笑いの連続です。
一番すごかったのは、三笑亭笑三の落語でした。
あの喋りに、まわりも気にせず大笑いです。内容そのものが面白いと言うより、あの間です。絶妙な間で笑いに持っていくのです。これが芸か、と圧倒です。


そして、笑わせた最後に、三笑亭夢丸の「小桜」。
ちょいちょいと笑わせながら、最後にはホロリとさせる、あの語り口は素晴らしいの一点張りです。
オチに至るまでの流れと間は、落語家が落語家たる所以だと思わされました。


ほかにも、素晴らしい落語家はたくさんいましたし、漫才や漫談など面白いものが各所にありました。
しかし、一つ一つが面白いと同時に、4時間半飽きさせない、彼らの芸の腕に感服です。


演劇を見ている人間としては、落語の舞台というのは一種独特です。
舞台そのものが、ではなく、客席が独特なんですよね。まず、暗くならない(笑)。演劇にはないことです。かならず暗くして、舞台を異空間にするからです。
そして、客席が普通にお茶の間です(笑)。お弁当は食べる、お茶は飲む、しまいにトイレに行く(笑)。でも、それがありなんです。それがあっても、まったく違和感がありません。こちらに緊張感はなく、ゆるい感じで笑えます。
また、かなり客イジリをします。
それがお客さんもノリノリです。高座は高座として存在しながら、お客もきちんと巻き込んでいます。
しかも、三笑亭夢丸の「小桜」はきちんと世界観を作り上げていました。


こんな面白い世界があったなんて。
人生はまだまだ奥が深い。