活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

センター入試総評

今日でセンター入試が終了しました。
すべての科目の問題を見ると、全体的に易しくなっている傾向にあります。世界史Bや数学ⅡBはやや難しくなっていますが、全体的には易しくなっています。


http://stepup.yahoo.co.jp/shinro/juken/index01.html


教科書改訂によってセンター問題が改訂されてから3年目。前年度の問題から考えて、文系科目は難易度が上がり、理系科目は難易度が下がると予想していました。しかし、現実には全体的に下がりました。
英語は問5が新傾向問題になり、TOEICに近い問題になりました。問6も物語から評論へと変わりました。しかし、どちらも文章そのものは平易です。去年の平均が131点だったことを考えると、今年は135点前後と考えられます。


日本史は去年よりもさらに簡単になっています。
社会と政治に関わる問題が主体で、問1が民俗学の範囲ですが、ほぼ常識の範囲内といえるでしょう。去年の平均が67点でしたから、今年は70点を超えるかもしれません。
世界史Bは内容そのものは難しくないのですが、植民地から宗主国の情勢を答えさせたり、諸島地域の問題であったりと、アジア・アフリカが中心でした。その点で、今年の平均は62点程度と考えられます。


国語は去年と同じか、やや簡単になっています。
評論は「奥」の文化について論じているものですが、内容的にはまったく難しくありません。ただ、日本の「奥」の概念に?がつくと、解けなくなってしまうかもしれません。小説文は夏目漱石から出題されており、受験生には近代の文章がやや馴染みがないと思われますが、内容的には平易です。
古文・漢文は例年並みでしょう。ただし、漢文については例年より文章が長くなっています。


数学?Aは例年通りです。ただし、問1(1)が新傾向問題です。方程式と図形の組み合わせで、問題としては良問でしょう。しかし、中学内容で解答できる内容のため、センターで出題されたのには疑問符を投げかけます。
数学?Bは難易度が高めです。去年と同じレベルですが、計算量が増え、解答に至るまでの道程が長くなりました。その点で平均点は去年と同じか多少下がるでしょう。


物理・化学については、新傾向問題があるものの去年と同程度の内容です。


私は某予備校で職員をしていますが、今年の受験生に感じたことはオプティミスティックであることです。全般的に危機感がなさ過ぎです。しかも、自分の実力を把握しきれていません。
今年の受験生、特に理系の受験者の得点が低い傾向にあります。結局全体量が足りないのです。そのために、理系科目が圧倒的に低い点数になっています。
にもかかわらず、早慶上智・MARCHでなければ嫌だ、というのです。たいして、中身も知らないのに。


この点において、大学のブランド戦略の弊害が見えます。それ以外の大学でも、充分に良い大学があるにもかかわらず、一流大学=早慶上智・MARCHとなっているのです。


総評としては、難易度は下がっており、特に文系科目に顕著です。
この様子だと、来年は文系科目の難易度が上がり、理系科目の難易度が下がりそうです。来年の受験生は要注意でしょう。