活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

予備校化する高校

最近、学校の塾化、塾・予備校の学校化が激しいと感じます。
その原因はいくつもあるのですが、基本的には少子化と学校改革にあります。


まず、塾・予備校の学校化ですが、特に予備校が激しいです。それは少子化の波を受けて大学受験が簡単になったことに由来します。それまでの大学受験、特に難関校クラスは難問奇問が多くありました。ですから、予備校で対策を打たない限り、ほぼ無理でした。
しかし、現在は難問奇問が減り、オーソドックスな問題、あるいはその発展が多くなりました。必然的に予備校は基礎レベルの強化を図ります。それは本来学校の役割だったはずです。


さて、一方で学校の塾化が起きています。特に高校です。
それは学区撤廃、一連の学校改革(重点学校やバウチャー制など)に原因があります。それまで高校は地域の学生を対象にしていました。学区があっため、ほかから優秀な学生が来ない代わりに、地元の優秀な学生が、その学校に入学してきました。
しかし、学区撤廃により、県下のトップ校に優秀な学生が集まるようになりました。一方で人気のない学校は学生が減少しました。つまり、学校によって志願人数が激減したのです。よって、高校が人を集めなければならない事態に陥ったのです。


さて、学校が人を集めるためにはどうしたらよいのでしょうか。答えは二つです。一つは部活動に力を入れることです。これによって、部活動をしたい生徒、運動で優秀な生徒を集めることができます。
そして、もう一つは難関大学に何人輩出しているか、という実績です。この高校は難関大学に合格するから入学する、という生徒を集めようとしたのです。
これは予備校と同じ論理です。


このような現象により、学校はより予備校に、予備校はより学校に近付いてしまったのです。
それでは、公的な学校の意味とは何でしょうか。
おそらく、今後そこが問われてくると考えています。大学に進学するためだけの高校なら、それはもはや教育とは言えません。それは「商売」です。そこに公的な学校の矛盾が生じています。