活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

塾業界を考える

新聞で、全国統一テストの結果が掲載されていました。
結果は、基本はできるけど応用ができない。
思っていたよりはよかったですが、それでも結局そんなものかと案の定。


とそんな愚痴をこぼしつつ、今日は塾業界について。
かつて塾・予備校と言えば集団授業が主でした。しかし、今は個別指導や映像授業が大きなウェイトを占めるようになりました。現実に、塾でもっとも業績を上げているTOMASは個別指導です。予備校も代々木サテライト、河合塾マナビス、東進、市進などは映像授業を取り入れています。


今後の動きとしては、ますます個別・映像の傾向が激しくなるでしょう。
しかし一方で、予備校では、生徒が集団授業がよい、という意見も多数存在します。それは実際に先生がいた方がよい、というものです。そういうニーズが強いのか、それとも完全移行できていないのか、代々木ゼミ・市進などは集団と映像の併用です。
もっとも、私の意見で言えば、実際に先生を目の前にした授業のメリットは皆無といえます。なぜなら、映像授業の先生方の方が教えるのは格段に上だからです。せいぜい、すぐに質問ができる程度ですが、それを考えてもメリットは少ないですね。それでも集団授業がよいという生徒達は、結局学校の集団授業が授業というイメージがあるからでしょう。


もっとも、ニーズとして存在する以上、今後の展開は集団授業と映像授業の併用が主になるはずです。
しかし、ここに問題があります。結局、集団の講師と映像の講師のレベル差が激しくなるのは必至です。なら、映像授業の方がよい、という意見がいずれ多数になるでしょう。で、それが定着したら、やはり生の授業がよい、となります。いたちごっこなのですよね。
それに、映像授業は均質な授業を提供できる代わりに、後継が育たない、という問題も孕んでいます。ほかの大規模予備校や小規模校から引き抜くしかありません。それを解決しない限り、代ゼミ河合塾といった大手の一人勝ち状態になりでしょう。


似た問題は個別指導にもあります。個別の場合、逆についてくれる講師によってレベル差が激しいことです。専任講師とアルバイト講師ではその差は歴然です。それでも同じ金額を払うのは顧客からすれば詐欺でしょう。
また、個別指導の場合、単価が高くなってしまいます。それは単純に人件費の問題です。それゆえに価格競争ができず、目に見える違いを打ち出すことができません。TOMASのように設備で差をつけるしかないでしょう。
この問題を解決できない限り、個別指導は消耗戦です。


今後10年を考えると、再編の真っ只中にいる塾業界は大手だけが生き残る形になるはずです。あとは地元の信頼を勝ち得ている個人経営塾のみですね。中規模塾がもっとも打撃を受けることになります。まさに二極化ですね。どこをとっても中規模塾が生き残るすべはありません。あるとすれば、中学受験専門とか学校の補習専門となることでしょう。