活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

Nothing happened

「何も起こらない」物語とは何でしょうか。


本当に明確な答えも道筋も見つけていないのですが、「何も起こらない」物語とは本当に成立するのでしょうか。
いわゆる不条理演劇としてサミュエル・ベケットゴドーを待ちながら』が「何も起こらない」物語として有名です。確かに、『ゴドーを待ちながら』は何かが起こりそうで起こらない、同じところを延々と繰り返す物語です。


しかし、そういった物語はほとんどないように思います。何かをしようと思うと、そこにストーリーが生まれ、「何も起こらない」ことにはなりません。


宮本章『14歳の国』の前半部も「何も起こらない」物語に属します。しかし、後半部は一つの方向性に向かっているので、「何も起こらない」わけではありません。宮本氏は前半部と後半部で違う仕掛けをしているので、脚本自体ではそれで問題ありませんが。


「何も起こらない」ことの一つは、大筋が堂々巡りであり、一つ一つのエピソードがストーリー的な繋がりを持たないことのような気がします。
それがすべてではないと思いますし、そこだけで「何も起こらない」を語れないと思います。
ただ、手がかりとして、そこに一つ基点を置いてもいいのかな、と思います。