活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

この瞬間だけは消さないで

久しぶりにきました、『削除ボーイズ0326』!


いえ、もうだいぶ前で、第1回ポプラ小説大賞受賞作品です。三作品すべて買おう買おうと思いながら、別の小説を買って早1年。早く買っておけばよかったと後悔。
ですが、この作品は素晴らしい! 久しぶりに「やった!」と叫べる作品ですね。
今までにない時間ものであり、しかもポプラ社のターゲットである小中学生にも楽しめる、ありえないほどの名作です。いったいどこから見つけてきたのでしょうか。むしろ、こんな作家がまだ埋もれていたのかと絶望?


駄目ですね。ハイテンション過ぎです。
しかし、この作品がほかの文学賞を受賞した作品と違うところは、純粋にストーリーを楽しめるところです。
最近の傾向として受賞作品は縛りがきつく、作家の知識で持っていく傾向にありました。例えば、選考委員が知らない世界の話(陸上とか?)やマニアックな知識を展開したり。
しかし、『削除ボーイズ』はみんなが知っている小学校の世界で、小難しい理論なしの時間ものです。しかも、投稿作品ではやってはいけないカットバックも見事な伏線として利用しています。
この作品の面白いところは伏線の使い方とストーリー展開です。ただ二つだけで、ここまで読ませられる作品は久しく見かけません。


お金はないのですが、久しぶりに目をつけている新人作家を片っ端から買いあさろうかしら。