活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

人生最悪一歩手前の日

今日は映画の『バベル』『ハンニバル・ライジング』、それに舞台の『ザ・ラストニート』を観ました……独りで(泣)。


まずは『バベル』から。
言わずと知れたブラッド・ピット役所広司菊池凛子が出演しているアレです。
感想から言うと、「金返せ、こらっ」。
テーマと手法は知っていたので、うまいこといくかな、と思っていたのですが、できは最悪です。何が最悪かと言えば、ネタバレをしながらいうと、アメリカ人夫婦がモロッコを旅する話と、そのこどもが家政婦に連れられ結婚式に行くが、それが誘拐に間違われる話、アメリカ人の妻を間違って撃ってしまった少年とその家族の話、それに聾唖の日本人少女と父親の話が交錯するわけですが。


そのストーリーですが、ほとんどが余計です。前2者に限定するか、聾唖の少女を機軸にストーリーを組み立てるべきです。物語があまりに冗長すぎて、しかも無駄ばかりなので、観ていて飽き飽きします。
そもそも、4つの話はほとんどリンクしていません。辛うじてアメリカ人夫婦とこどもが電話で話をするシーンが互いの角度からみられたくらいでしょうか。


やりたいことは分かります。きっと家族の大切さを訴えたかったのでしょう。でも、やり方はもう少しあった気がします。
それにどうもラストシーンがよく分からなかったんですよね。菊池凛子は母親の死はベランダからの飛び降り自殺といい、父親は拳銃での自殺という。この違いは何なのか。単純に娘が父親を庇っているだけなのか、いまいち状況が飲み込めません。


次に『ハンニバル・ライジング』ですが、あの「人食い」ハンニバル・レクターが生まれた事件というので、どんなものかと思えば、単純な復讐劇でした。
戦中、妹を軍人に「食べ」られ、その復讐に殺人+食人を行う。何のひねりもない単純なストーリーでした。そこに日本人の義理の叔母との恋があるだけで特に面白いものはありません。
ストーリー運びも単調で、同じ調子で殺人を犯しても何だかなーって感じです。


ラスト、叔母の愛を手に入れられず、自分もまた妹を食べていた事実に打ちひしがれ、「人食い」レクターになるのは面白かったです。そのシーンのために、逆に物語を構築すればいいのに。


そして、にくこっぷん『ザ・ラストニート』。
まあ、高校演劇の延長といったところですね。できの悪い天然工房ですか。前半はお笑いで、後半はシリアスに主張。まさに高校演劇の典型です。
しかし、ギャグが緩いんですよね。緩いギャグをやっているのでしょうけど、フリではなく本当に緩くては笑えません。しかも、無意味なシーンが多いし、長い。みんな長くすればいいってものじゃありませんよ。


しかも、役者が微妙なんですよね。本人達は一生懸命なのですが、微妙に芝居がかっているのが分かってしまって興醒めです。それっぽく作ってます、というのが見えるのはダメですね。


そんなわけで、今日一日使って観たものはどれもこれもが面白くありませんでした。
ああ、人生最悪の一歩手前です。