活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

青春18切符でどこまでも

遅ればせながら、『図書館戦争』を読みました。
『華氏451度』のオマージュのような作品ですね。相変わらず有川浩の作品は流れがあって面白いのですが、いまいち盛り上がりに欠ける作品ばかりなんですよね。回を重ねるごとに改善はされているのですが。


基本的に有川作品の登場人物はなんというか似通っているんですよね。特に『空の中』『海の底』と『図書館戦争』はそうですね。まあ、携帯兵器(というか、自衛隊)をもつ部隊の隊員が登場人物である以上、ある程度似通ってしまうのは仕方ないですが。
有川浩はミステリのような青春小説を書く人ですが、結構伏線をしっかり張っていて、実は本格ミステリもいけるんじゃないかな、と個人的には思っています。ただ、その場合、作風の大幅な変革を求められることになると思いますが。


青春小説といえば、同じく電撃出身の橋本紡も青春小説を書くのが巧いですね。というか、断然いい。受賞作品の『猫目狩り』の彼はどこへいってしまったのでしょうか(苦笑)。
下手な萌え作品を書かせるより、「曜日シリーズ」のような何も起きない日常を描いた作品の方が面白いんですよね。文章は下手だけど。


どちらも作家個人の能力以上に、編集者の腕でどうにかなる部分が多分にある気がするのですが、それを求めるのは酷というものなのでしょうか。