活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

異界・境界・世界

どこまでが「ここ」で、「そこ」で、どこから「あそこ」になるのでしょうか。
つまりは境界線の話。物理的な領域の問題もそうですが、人間の心の問題もそうです。どこまでが「身内」でどこからが「他人」なのでしょうか。
最終的に人間の領域は「自己」か「他者」に分けることしかできないと考えています。自分に属するものかそうでないか。それが社会さえも規定している気がします。個人の感情もそうですし、国家間もそうです。自分の都合のよい方へ進まないから「他者」であり、思うようにできるから「自己」の一部であり。そんなつまらないパワーゲームを繰り返しているわけです。


そもそも人間の成長もどこまで「自己」を広げるか、ということに終始しているのではないでしょうか。学ぶ行為は自分の理解を広げることであり、知らないこと(=「他者」)を退けることです。
情報を集積することも「自己」を広げる行為です。こうしてネットを通じて、情報を配信することもそうならば、受け取ることもまた「自己」を広げる行為です。


そうなると、いつかは「ここ」だけになるのでしょうか。「ここ」と「あそこ」を分ける境界線は追いやられ、すべてが「自己」だけの世界。他人が存在しない世界こそ「異界」かな、と思うわけです。
やっぱりこちらとそちらを分ける境界線がある方がいいのかな、と思う今日この頃。