現在、朝日テレビで放送されている『てるてるあした』はどうしたものかなと。
もともとは加納朋子『ささらさや』『てるてるあした』をベースにドラマ化されたものですが、どうにもこうにも加納朋子の世界観が出ていない。
そもそも、加納氏の作品の持ち味は幻想感であり、ヴィジュアルと非ヴィジュアルが組み合わさった世界観です。そこにミステリの要素が混ざり合って、独特の雰囲気を醸し出しています。
にもかかわらず、ドラマの『てるてるあした』はまったくそれがありません。本当に深夜放送の新人俳優やアイドルをつかったドラマのようなドラマです。けれど、出演者をみると、それなりに芸歴を重ねた役者が出ています。スタッフも前に同じ金曜ドラマナイトの『雨と夢のあとに』です。
もう少しまともなものができてもよいと思うのですが、とてもちゃちな造りになってしまっています。加納朋子作品の良さをことごとく潰しているのがなんとも……。
なんと、スタッフは成井豊氏なんですね。有名な劇団「キャラメルボックス」の創設者の一人です。とはいうものの、キャラメルボックスの脚本は舞台だから面白いものが多いので、ドラマとしてはいかがなものかと。
最近、原作ものがあるドラマが多くありますが、せめて原作の雰囲気を壊さないか、できれば原作をよい意味でこえるドラマにして欲しいものです。
