活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

お前達は長ければいいと思っているのか

2週間くらいかけて読了。


長かった。


確かに、環境が社会の複雑化に寄与している、というのは分かります。
ただ、こんなにも長い紙面を使って説明することだろうか。
もちろん、社会が環境に依存していることを明らかにすることが重要です。生物環境によって栽培・家畜化可能な動植物の多さが食料生産の早さを決め、それが定住→複雑な社会の構成に繋がるのも分かります。
しかし、環境が社会の複雑化の土台であることは、歴史学者文化人類学者などにとっては自明の理です。
社会が複雑化し、都市化が進めば進むほど、環境への依存度は低くなるのも、また自明かと。


当たり前のことを、歴史学・考古学・生物学・言語学などの根拠を用いて説明した点に本書の素晴らしさを感じますが、それ以上ではなかったかと。
むしろ、作者あとがきで説明がほとんどできているような気も。


なんか、海外の書籍は長ければ長いほどよいと思っているんじゃないかと思うんですよね。
小説でもなんでも、海外作品はホントに長い。
短いのは古典作品くらいですね。


もちろん、学界の論文としては根拠の検証が必要ですが、これは一般書だと思うんですよね。
だとしたら、もっと簡潔に書いても良かったかな。


面白かったけど、無駄が多すぎ。
というのが感想ですね。