活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

最近読んだ本


最近、読んだ本。

かもめの日 (新潮文庫)

かもめの日 (新潮文庫)

あまり期待しないで買った本でしたが、意外に面白かった。
最近、ビジネス本とか軽い文章を読みすぎていたから、たまには深い文章を読もうと買ったのですが。


物語を俯瞰すると、実は非常にありきたりの、たいしたことのない(じゃないのもありますが)物語の集まりです。
ですが、それがラジオというつながりを持ち、実は繋がっていることが徐々に分かっていく。
けれど、強いつながりではなく、放ってしまえば切れてしまうつながり。
そのつながりが自分の人生に重要であることを感じていく。


多くを語らない上質な文章でした。
いくつか「?」と思うところはありましたが、たまにはこんな物語もいいですね。
何も起こらない、何かが変わったわけではない。
でも、何かが変わっていく。


やはり、小説はよい。


就活のしきたり (PHP新書)

就活のしきたり (PHP新書)

結局、企業が「神様スペック」の学生を求めすぎ、っていう結論ですよね。
もちろん、学生自身も問題もありますが、それ以上に企業がありもしない学生像を学生に求めすぎです。
己を信じ、己を突き進んだ学生を企業は欲しがる。
やりがいがある仕事を創造できる企業を学生は行きたがる。


でも、


そんな学生も企業もほとんどないということに気づかないといけない。
その辺は非存在少女と同じ?(苦笑)


「カタリバ」という授業――社会起業家と学生が生み出す “つながりづくり”の場としくみ

「カタリバ」という授業――社会起業家と学生が生み出す “つながりづくり”の場としくみ

「カタリバ」というNPOは非常に面白い。
語るべき言葉を、語るべき人が待っている。
でも、誰もどんな言葉を語るべきか、語ったことで自分がどう変わるのか分からない。
これほどまでに「自分」を考えなければいけない時代はなかっただろう。
ゆえに生きづらい。


その場を提供する「カタリバ」は面白い試みだと言えます。
今後どうなっていくか分からないですが、今後も必要な場となるでしょう。