歴史から学ぶこと

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

日清・日露戦争から太平洋戦争にかけて、なぜ戦争回避ができなかったのか。
そのことについて、明確に論じたものは少なかった。
本書は、高校生向けに抗議した内容であるため、分かりやすく説明している。
（もっとも、名門栄光学園の歴研なので、理解力が並の高校生ではないが）

戦争問題の原因を一言でいえば、「見込み違い」だろう。
日露戦争くらいまでは、すれ違いもあるものの、おおむね日本の思惑が成功したといえる。
しかし、満州事変以降、日本政府・軍部の見込みの甘さが災いし、太平洋戦争が不可避になってしまった。

本書を読んでいると、本当に満州事変以降は、日本の見込みの甘いこと甘いこと。
その問題は、国際情勢を理解しきれない日本と、相手国の生産能力や戦況を自分の都合のよいように解釈した軍部のせいでしょう。
日本はまさに「戦争する資格のない」国だといえます。

また、同時代の他国の政治家には利益を捨てても国を生かそうとする人間がいたのに対し、日本はいない、ないしはいても活躍できない政治でした。
それを考えれば日本が戦争に負けるのも無理もありません。
日本はここから教訓を得て、どう外交政策を組み立てていくのか、を考えるべきです。
それができない限り、日本はいつまでたっても、外国のいいように使われる国になってしまいます。