- 作者: 熊倉隆敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/23
- メディア: コミック
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『もっけ』がついに終わってしまいました。
確かに、山もドラマもない物語なので、よく9巻まで出たとは思いますが。
ただ、意外と好きだったんですよね。
世界を救うわけでも、特殊能力者の戦いでもなく、異能者(ここでは霊能者というべきか)がその能力ゆえに社会と適切な距離をとれないでいる。一方で、妖怪との距離とも測りかねている。そんな物語です。
この物語の特徴は、妖怪の描き方が民俗学をベースとしている、という点です。
だいたい、妖怪モノというと、妖怪同士の派手なバトルや妖怪を扱った奇妙な事件を解決する、といった冒険決劇系が主でした。
それに対し、本作はデフォルメはあるものの、古代から語られる妖怪を忠実に再現しようとしています。それゆえに民俗学を援用し、異能者の描き方も普通の人間として描いています。
それゆえの面白さである一方、それゆえに現代漫画では受け入れづらい構造でもあります。
今の漫画はどれだけアクティブに、バイオレンスに、コミカルに、するかがキーポイントです。それがない漫画は残念ながら淘汰されてしまうのですかね。
熊倉先生の次回作に期待!
としておきましょう。