- 作者: スエカネクミコ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/05/29
- メディア: コミック
- 購入: 8人 クリック: 70回
- この商品を含むブログ (94件) を見る
- 作者: スエカネクミコ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/05/29
- メディア: コミック
- 購入: 5人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (64件) を見る
――――級友は全員、世界中の偉人のクローン。僕だけが、非クローン。クローンの苦しみも、クローンの悲しみも、僕にはわからない。…ただの人間である僕の苦しみと悲しみは、彼らにはわからない。
という広告帯に惹かれて買ってみた『放課後のカリスマ』。
物語は偉人のクローンを作り、彼らを教育することで新しい英知を生み出そうとする世界。
偉人のクローンが集められ、教育を施す学園に一人、ただの人間である史良。
なぜ、偉人のクローンが生み出され、一堂に会して教育されているのか。そして、なぜそこに普通の人間である史良がいるのか。
と、物語は進んでいくのですが、設定ややろうとしていることは面白いのに、それが中途半端になっているのが残念。
ミステリにもサスペンスにもなりきれていないし、設定が生かしきれていません。
しかも、物語自体も小さくまとまっているため、スケールが大きな設定の割にこじんまりとした感じが否めません。
おそらく構想はあるのでしょうが、それが匂わないので、読み手としては「このまま不発で終わるの?」と思ってしまいます。
第2集の最後でようやくそれっぽいことが出てきましたが、2冊使ってこの密度だとサスペンス系の話としては
飽きられてしまいます。もっと密度の濃い物語にする必要があるでしょう。
あるいは、それ以外の部分で読ませる何かを持つ必要があります。
その点で面白いのが『鋼の錬金術師』。
これも基本路線はサスペンス・ミステリ系で「お父様」が何をしようとしているのか、この国がどこへ行こうとしているのか、という伏線を抱えています。しかし、それをアクションや登場人物の魅力で飽きさせていないところが素晴らしい。
『放課後のカリスマ』にはそれがありません。
もう少し追いかけてみたいですが、結局IKKIは面白くない、ということにもなりかねません。
ぜひとも頑張っていただきたいところです。