活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

科学は永遠に不滅です。


物理とは、自然の法則性を明らかにしようとする学問です。
言い換えれば、世界そのものを明らかにしようとする学問です。


案外、最初は素朴な疑問から始まったのかもしれません。
どうして鳥は飛べるのか、太陽は東から西へ行くのか、水は流れるのか、など。
それらを解明していくうちに科学が生まれ、物理学という分野が生まれました。
そして、それらの現象を美しく表そうとしたのが数学です。
つまり、科学(物理)とは我々が日常感じる不思議を解き明かそうとした結果です。


今でこそ、やたら難解で小難しい話になっていますが、最初はだれしもが思う単純な発想です。
その発想が正しいことを証明するために、科学者たちは実験をするわけです。


本書はその実験からいくつかの法則を理解しようと書かれたものです。
いわゆる「百聞は一見にしかず」です。
そこから物理とは決して難しいものではなく、自然現象を理解するツールであり、非常に身近な存在なのだとアピールしています。


扱う分野も力・熱・光・電気・流体と幅広く、かつ物理学でポピュラーな分野です。
どの分野も非常に興味深いですが、一つの分野からでも読むことができます。
紹介されている実験も、一般家庭で十分そろえられるもので、しかも一人でもできます。
ぜひとも、お子様のいる家庭で親子揃って試していただきたいものです。
そうすることで、子どもの教育にもなりますし、親子の共通の話題にすることもできます。


普段、「勉強しろ」としか言わない関係でも、一緒になって実験をすれば勉強の楽しさも理解できます。
また、その実験が勉強につながり、自然につながり、つまりは社会にもつながっていることが理解できるはずです。
つながりを理解することで、世の中を見る目の土台を作ることにもなります。


そういう意味で、本書は手軽にできる実験指南書として十分に面白い新書です。