活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

私の延長上にある私

日本テレビの深夜枠で、「押井守監督祭」と称して同監督の映画作品が放送されています。
攻殻機動隊 Ghost In The Shell』『機動警察パトレイバー』『機動警察パトレイバー2』の三作品です。


今のところ、前二作品まで放送されています。
ここから押井監督の世界観というものが見えてきます。『機動警察パトレイバー』が公開された当時、乱開発による都市化が進み、一方で取り残されていく人々やものがありました。そこに作品は切り込んでいます。社会と人間の問題をそこに映しています。
一方で『攻殻機動隊』はネットワークや物理的につながった世界の中で、人の心とは何か、という社会問題に取り組んでいます。世界が身近になればなるほど他人との境界が曖昧になり、「自分」とは何かを問われるようになります。その進化形が『イノセンス』であり『スカイ・クロラ』ではないでしょうか。


徐々に、社会と個人の関係が薄れているように思えます。
ゆえに、テーマも個人そのものに移行しているように感じます。「私とは何か」、確かにこの問題は以前から考えられてきましたが、それは社会や集団の中において自分とは何かを探っていました。しかし、今は独立する(スタンド・アローン)個人として「私とは何か」を迫られている時代です。


正直、そんなものを考える必要もないと思っていますが、なければないで人は欲しがるのでしょうね。