活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

肉なし麻婆豆腐は味気ない


鬼束ちひろ『LAS VEGAS』を聞いたのですが、かつての鬼束はどこへ行ったのでしょう。
社会に批判的で、世間を唾棄するようなスタイルはどこへ行ってしまったのでしょう。


確かに、休業以降、彼女の音楽スタイルは変化しました。レーベル移動後第一作の「育つ雑草」は本当に酷かった。かつての彼女の良さが何一つありませんでした。
今回のアルバム『LAS VEGAS』は多少改善されたものの、かつてのパワーがまったく見られません。
詩はそれっぽいんですが、声に力がありません。


その衝撃をたとえるなら、「学生時代、刃物のように尖っていたけど、それが魅力だった先輩が、平凡な男と一緒に『私たち結婚しました』とかいう手紙を送ってきた」ようなものです。
あなたはそんな人じゃなかったでしょう。世間に逆らって生きてきたじゃない。いまさら、平凡なお嫁さんになりたいの、はないでしょう!
と、訴えたいくらいですね。


確かに必至に幸せを求めていたけれど、でも、求めていた幸せは世間でいうような「幸福な家族」ではなかったと思ったんですが。


新しいアルバムをTUTAYAで見つけて借りてみたものの、逆にへこんでしまいました。