『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』が完結しました。
マドカ編が終わった辺りから予測できていたことですが、意外に早かったですね。
ムヒョとロージーの魔法律相談事務所 18 (ジャンプコミックス)
- 作者: 西義之
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/06/04
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
案外好きな作品だったんですが、ジャンプの中では仕方のないことです。
この作品自体はジャンプシステムに則っています。努力・友情・勝利のプロセスと強敵出現によるストーリーの展開です。
しかし、この作品は強敵によるストーリー展開ではすぐに行き詰まることは分かっていました。強敵は力ではなく、主人公との因縁も深くなくてはいけません。そうすることで継ぎ接ぎの展開の整合性をとるためです。そうでなければ、ただ「俺より強いヤツに会いに行く」だけになります。
ジャンプシステムをもっともよく表しているのは『ドラゴンボール』でしょう。あの作品はジャンプシステムの2つの原理に強く反映されています。現在、その流れを継承しているのが『ワンピース』です。
ジャンプの人気作品は、まさにジャンプシステムを継承した作品とも言えます。
しかし、『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』は若干趣をこととしています。
なぜならば、この作品は最初の段階で最終ボス(マドカ)を登場させているからです。彼との決戦がラストシーンに設定されているのに、それが終わっても続く場合、よほどの理由が必要です。ですが、マドカ編が終わっても、それを作れなかったためにすぐに打ち切りになったのでしょう。
また、この作品自体、ジャンプらしくない部分が多く、むしろジャンプスクエアなど別媒体にすべき点が多くありました。いまさら言っても仕方ありませんが。
ジャンプシステムは有効であることは疑いありませんが、使える作品に限界があることもまた事実です。ジャンプはジャンプシステムの作品と『銀魂』に見られる不条理ギャグで支えられています。それはそれでいいのですが、ゆえに新しいものが出てこないのでしょう。